- Q. おもしろい？ A. かわいい
- 超次次元ゲイム ネプテューヌ Re;Birth1
- ★★★
登場人物のほとんどが女の子な萌えRPG
立ち絵に下部テキストウィンドウ構成の会話パートと、ダンジョンに行ってボスを倒してイベントを進めるという古典的RPG。……なのだが、ダンジョンは使いまわしばかりで敵も色違いの使いまわし、育成は経験値を稼いでレベルを上げるだけなのに面倒くさい素材集めを完備、戦闘は金や素材を稼いで装備を整えて必殺技で殴れのバランス、立ち絵もイベント絵も数が少ない、そもそも立ち絵は1種類しかないなど、一体このゲームに何の魅力があるのだろうか……といえばそれはぶっ飛んだキャラ萌えである。ねっぷねぷにしてやんよ
天界で終わりの見えない争いを続ける4女神のうちの1人、主人公ネプテューヌが謀られて下界に突き落されたところから物語は始まる。落下の衝撃で地面にスケキヨのごとく突き刺さり記憶を失ったネプテューヌは、「死ぬんだったらHDDのデータ消しとくんだった!!」「おごってもらえるなら鉄道ゲームの貧乏神のごとくついていくよ!!」など、自身が女神であるという記憶が吹っ飛んだことでブラックジョークやパロディを繰り返してはっちゃけるギャグキャラと化してしまう。ネプテューヌの何でもありな語り草は他ゲーの主人公共とは一線を画す個性があり、他の女神たちも実は問題だらけで、ぼっち女神、ネトゲ廃人女神、売れない同人作家女神など、暗黒面の要素を属性として持ち合わせている駄女神だから発言がいつも斜め上を行き楽しませてくれる。同じ見た目をした2人から本物を割り出すために当人の黒歴史をクイズの問題としてイジリ倒すとか中々見られるものではない。普通のRPGでこれらの特定層への媚びを入れるとふざけ過ぎでウンザリするけど、基本がこんなのだからすんなり受け入れられるし、ネプテューヌや仲間たちのぶっ飛んだ掛け合いのお陰でつまらないシナリオでもテキスト送りボタンを押させてくれる魅力となっている。
駄女神が守護する世界が舞台のデタラメな様子が魅力であり強みだと思うけど、終盤は愛と勇気と友情で困難に立ち向かおうという前時代の出涸らしシナリオになり、進めれば進めるほど当たり障りのない定番セリフに塗れその魅力が潰れていく。駄女神が熱く語っても違和感に繋がるし読む気も失せる。何を真面目ぶっとんねん、と。舞台やキャラがアレならシナリオも中二病のラノベみたいなぶっ飛びでいい。『サクラ大戦』のサタンやミカエルのような痛さが足りない。真顔であんなことをやられると恥ずかしくてついていけないけど、それでもネプテューヌなら……ネプテューヌならきっと何とかしてくれる……。そう思わせるカリスマを持ち合わせた主人公なだけに冒険してほしかったと思うばかり。
お使いと稼ぎの合わせ技RPG
ダンジョンをMAP上に表示させたり一部の装備を作るためには素材を集める必要があるが、ダンジョンで手に入る素材の入れ替えとかいう無駄に時間を取られる面倒なゲームシステムがある。そのA・B両パターンで探索をさせられるウンザリ仕様で一体どんな層を喜ばせようとしているのか甚だ疑問。面倒なRPGを遊んでいて切望するシステムは、『マザー2』のようにレベル差があれば接触した瞬間の勝利であったり、アトリエシリーズにあった素材収集用の妖精を使えるようにするなど、手間を省きストレスを抑えるような工夫なわけで。ただでさえダンジョンも敵も使いまわしに塗れ進行は一本道のお使いだらけで面白くないのだから余計にそう思う。こんなのをやられたら次回作の購入意欲は潰える。あと、よくわからなかったのが最初に仲間になる2人以外のゲームメーカー名を冠するキャラ群が何者だったのかという点。説明一切なしで絡みもほとんどないから作風の中途半端な印象を一層強くした一因となった。3Dモデルの造形は良くても何物かわからないキャラなんて使う気は起きない。
まとめ
キャラクターの個性以外、萌えもゲームも中途半端。バカゲーや萌えと使い古された前時代的な出来レースのシナリオは相反する。ほとんどバカやってるだけで積み上げたものがないのに小綺麗にまとめようとしている終盤はテキストスキップ前提のつまらなさ。萌えであり、バカであり、コメディであり、パロディであり、それらのネタのどれもが次第に萎えていく。クリア後の余韻は「キャラクターとモデルだけはよかったよ」というもの。kawaiiだけがウリ。ScreenShot
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