アークザラッド2。
前作の主人公アークとククルの運命を描き、今作の主人公エルクとリーザも同時に巻き込まれていく。前作とストーリーが繋がった二部作の完結編で、前作のデータをゲーム開始時に読み込むと登場人物のレベルや能力が引き継がれる。
ボリューム満点RPG
序盤は主人公のエルクを操作して進めるが、中盤はオムニバス形式のような展開になり、エルクだけではなく仲間キャラを主役として進めるシナリオが用意されているので、視点が変わることで中だるみすることなく進められ掘り下げも十二分になる。サブイベントとして街にあるハンターギルドで指名手配犯の討伐や様々な依頼を請けることが出来るのでボリュームはかなりのもの(これらはあくまでもサブイベントなのでやらなくても進行上問題はない)。やりこみ要素も、モンスター育成、アイテムの合成や精錬など数がある。
体験はオーソドックス
戦闘はキャラを駒として一人一人動かしながら進める典型的なSRPGのシステムが採用されている。一度に出撃できる人数は5人までで、ターンの概念は無く行動順はキャラの敏捷度順に回る。ダンジョン内の特定のエリアに行くと戦闘に突入する固定エンカウントで、倒した敵は一部を除いてダンジョンを出るまで復活はしない。稼ぎと戦闘バランスが難
キャラの掘り下げもボリュームもよく長く遊べてシステムも既存のもので入りやすい。よくできたRPGだが、気になるのは物理攻撃の命中率が武器やステータスによって変化するのではなくレベル依存なこと。フリーバトルでレベル上げ作業でもしない限り戦闘で敵のレベルに近づいたり上回ることは難しいので、攻撃は当たらず反撃は食らうことが当たり前になってしまう。5人しか出撃できないため多くのキャラを使おうと思えばそれだけ必要以上の稼ぎを強いられてしまう。戦闘演出が長くてスキップできないこともあり余計に時間を取られこの点が強調されてしまう。この稼ぎを要するバランスに不満はあるが、仲間にスポットを当てたシナリオ展開、やり込み要素、サブイベントを含めたボリュームなど、全体的に見れば面白いRPGに分類されると思う。テンポの悪さと稼ぎ作業を受け入れられるかが楽しめるかどうかの分岐点。
・テキストスキップなし
・名前変更不可
・声は戦闘時の掛け声のみ
アークザラッド3
- 前作の3年後の世界が舞台
- 前作ではサブイベント扱いだったギルドでの仕事がメインとなったRPG
ギルドでクエストを選んでクリアするクエストクリア型に
ギルドの依頼をある程度こなしていると、ストーリーが進行する依頼を選べるようになるクエストクリア型になった。今作のやり込み要素はアイテム/ウェポン合成とモンスターカード収集。合成はレシピから選択するのと素材を予想して合成をする実験の2つがあり、作成アイテムは一覧に記録されていく収集要素にもなっている。
モンスターカードは戦闘でカーディッシュという技を敵に使うことで手に入り、アイテム同様に入手カードは一覧に記録され、モンスターカードは戦闘でも様々な効果を持つアイテムとして使用できる。
- クエスト数は約100個
- クエスト以外も手配モンスター討伐もある
1~2と同様の基本システム
マス目状に区切られた戦場でキャラを移動させて攻撃や魔法を行う戦闘で、これまでと同様にターンの概念は無く素早さの順番に行動順が回る。仲間キャラは7人で(内1人は隠しキャラ)、戦闘参加可能人数は4人まで。前作で問題だったレベル差による命中率低下については改善されており、攻撃しても大半が回避・防御されるという鬱陶しさはほとんどなくなり快適になった。
兎にも角にもギルドに行かないと何も始まらない進行に冒険感はない
前作ではサブイベント扱いだったクエストがメインになり、ブロックを押してネズミの通り道を塞ぐようなミニゲーム、あちこちたらい回しにされるだけのお使い、敵が出たからやっつけての戦闘など、このようなクエスト進行になりRPGとしての冒険要素はとても弱くなった。仲間の設定を掘り下げたりメインのストーリーに絡ませることもなく、それらのクエストを物語を進行させるキークエストが出るまで延々とやらされてしまうのは冒険とは呼べない。
物語としても過去にハンターに助けられたことで憧れを持つという漠然とした理由の旅立ちなので冒険的には弱く、続編アピールなのか序盤から意味もなくこれ見よがしに前作キャラを出す展開を続けたりで続編としての掴みもよくない。
通常のRPGでは新しい街や大陸に行けば様々なイベントが用意されていて早く先に進めたくなるものだが、何をするにしてもまずはギルドに行って同じような内容のクエスト一覧を眺めなければならず、中盤ぐらいまでは明確な目的やストーリーも見えてこないのでミニゲーム集みたいになっている。
そこを超えたら冒険になるのかというと、完結したはずの前作の物語が簡単に蒸し返されたシナリオで報われないし、蒸し返すキャラもカリスマがないというおまけ付きで盛り上がらない。人気にあやかって無理やり出したのではないかと邪推してしまう。続編だからと言ってお使いやミニゲームばかりのクエストだけでプレイを促せるようにはならない。
・声は戦闘と動画のみ
・周回時はレベルとアイテムを引き継ぐ
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