独りよがりノベル。
台詞のある部分は立ち絵にテキストウィンドウで進行し、立ち絵のない主人公の語りなどは画面全体にテキストが表示されるADV。エンディングリストが無ければ既読未読以前にテキストスキップ自体も無いなど低価格だけあって品質も低い。プロローグ
主人公は不動産屋の営業マン。「別荘見学ツアー」で6人の客を山奥にある別荘へ連れていくが、待ち合わせの場にいるはずの別荘の管理人がおらず、自分たちだけで向かい辿り着いた先は目的の別荘とは違う屋敷だったというベタベタのプロローグ。屋敷の住人がいかにもな老人で、その妻が訳あり感満載な若妻だったり、「あかずの間」には絶対に近づくなと言われたり、どこかで見たような伏線がずらり。ここまではまずまずだったが……。
説明が足りなさすぎるので納得しがたい展開ばかり
迷い込んだ屋敷で起こる悪夢のような惨劇の単純ホラーではなく、転生モノの要素を取り入れたシナリオになっているが、一人を除いてそれを納得させるような描写が無い。OPは約1000年前の男女が何者かに追われるシーンから始まり、所々断片的にその場面の出来事が脈絡も無く突然挿入され、そのシーンだけでプレイヤーがすべてを把握できてるような前提で進むため説明不足過ぎて置いてけぼりになる。
主人公と他二名はこの時の人間の生まれ変わりらしいのだが、その内の主人公と他一名はどうやって転生したのかが不明であり、主人公を敵視しているが何故主人公をその時の人物と認識できたのかも不明。終盤になると主人公も思い出した風に言葉遣いが変わるが、何がきっかけでどうやって記憶を取り戻したのかも不明。唯一の置いてけぼり仲間である主人公もいつのまにか知ってる側に回って取り残されてしまうプレイヤー。
あるEDでは炎上する屋敷から主人公一人で脱出した場合、屋敷の外に居て無事だったらしい人が炎上する屋敷に訳の分からないことを言いながら飛び込んでいったり、屋敷が焼け落ちた後にほとんど登場する機会の無かった人が性格と名前を変えて突然現れたりする。そこに至るまでに何らかの人物像の掘り下げでもあればという所だが当然そんなものは無い。シナリオを監修する人はいなかったのだろうか。独りよがりが過ぎる。
登場人物全員の言動がおかしいのに理由が描かれていないから、どの選択肢を選んだ所で何が何やら意味の分からない展開が最後まで続く。何周かして他のエンディングを見ていけば不明だった点が理解できるのかもしれないが、フローチャートも無ければテキストスキップすら無いし、ただでさえ意味の分からない展開ばかりのシナリオでスキップもないでは知りたくなる意欲は削がれるというもの。
ホラー要素は突然画面全体に不気味な絵と音を出すそれ。説明が足りない事からくる納得しがたい展開やハッキリしないオチ、テキストスキップすら無いシステム、すべての点に置いて低価格に納得。
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