オカルト捜査ADV。
みょうちくりんな出来事で始まる各章の導入から、オカルト肯定否定中立派や臆病者など個性の書き分けられた人たちと多面的に事件を追い、私生活上で何気なく出てくる事柄や過去の事例を具体的に挙げながらの展開はオカルトでも説得力を生み引き込ませてくれた。だが、重要な点をぼかしたまま含みを持たせた謎を残して完結するため、“導入”では盛り上がっても“結論”でずっこける。「妬みや怒りによる人の心の歪みが鬼を生み出す」と言われても、その程度で鬼になれるのなら世の中は鬼だらけになるだろうし、あのオバチャンがどのように鬼へと変貌したのかなどの根幹がほったらかしなので、大風呂敷を広げただけのデタラメにしか読めずつまらなかったし、そこに親子愛のお涙頂戴を絡めているので余計にあざとく感じられた。
自身が都市伝説や七不思議などのオカルトの類いに理解が無いこともあり、超常現象の理屈や原因の描かれていない部分に適当な推論ができないので、読めば読むほどこれらに対する疑問が増大し、説得力がしぼんでゲームの世界から追いやられていった。オカルトに理屈を求めるのはナンセンスなのはわかっているけど、ホラーにしては重要な部分を言わないから説得力に欠けてリアリティが薄れ怖いと思える場面は無いし、推理にしても超常現象のオカルトを認めちゃうから秘密の抜け穴だらけで何でもオカルトのせいにしようぜ状態。「あるかもしれない」「ないかもしれない」など選ばせる意図が曖昧な選択肢も多くどっちらけ。結局どんな方向性にしたかったのか、それすらも曖昧。データベースの豊富なテキストを読む方が面白かった。
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