【ゲームアーカイブス】ベアルファレス【ARPG】

★★★★ PS1 RPG ゲームアーカイブス


世界を取り巻く設定が北斗の世紀末。

  • キャラ毎に違う性質の武器やトラップを活用しつつ遺跡に潜っていくミッションクリア型ARPG
  • キャラクターや世界の細かな設定の評価が高い
  • 世界の基本設定は北斗の世紀末のような荒れ果てた状態で、危険ではあるがお宝が眠る遺跡での一攫千金を夢見て訪れた者や、永遠の命などの行き過ぎた欲を満たすためなど理由も様々描かれている

キャラクターメイキング、街で仲間を誘って遺跡へ

  • キャラクターメイキング(主人公のみ)
    • 名前/性別/使用武器/出身/遺跡へ来た目的/の選択や設定
    • 使用武器に関しては、ここで選択した武器以外は使えない
    • 出身と目的は、主人公の能力や仲間キャラクターの好感度、イベントやエンディングのテキストに少し影響してくる
仲間は男6女7の計13人が居て、新人冒険者の宿に居るので話しかけるだけで仲間になる(例外あり)。仲間に入れることの出来る人数は2人までだが、遺跡内に居るとき以外ならいつでも入れ替えは可能で、仲間に誘った時や特定の場所に行った時に条件を満たしていればイベントが起こり、好感度の高い仲間とは個別のエンディングも用意されている。

遺跡はミッションクリア型のリアルタイムアクション

ミッションは基本的にゴール地点に到達するか、そのフロアに居るボスを倒すとクリアとなるが、中には誰かを救出する、敵を倒して一定の金をためる、敵を倒さず進めなどの特殊なクリア条件が設定されている。
操作は上下左右4方向にマス単位に歩くだけでダッシュやジャンプはできず、武器によって攻撃範囲や速度は違えど溜め撃ちや必殺技などもない単純なもの。トラップは地面に設置して自分や敵が範囲内に入ると起動するだけで大抵は使い道がない。歩いて単発攻撃をするだけのアクションに終始して最後まで体験が変わらないので特徴といえるほどの要素はない。

能力バランスもいいとは言えず、武器やトラップがキャラ毎に固定なので、使えないトラップ持ちはその時点で出番が無く、トラップがそこそこ使えるキャラでも武器が扱いにくいと好んで使う気にはなれない。
そうなると最初に好きな武器を選択できて有用なトラップ持ちの主人公以外を使う機会がなくなってしまう。
主人公のフリップパネルとバキュームのトラップは必須となっているが、ほかのキャラのトラップは仲間選択の自由を阻害しないためか強制イベント以外で必要になることはほぼない(フリップパネルは踏むと指定方向に一定距離移動するトラップ、バキュームは範囲内の人や物を吸い寄せるトラップ)。

移動は4方向に歩くだけの単発攻撃アクションで、凍らせたり燃やす多種多様なトラップも補助としてすら存在感に欠く(使うまでもない)。慣れ以外の上達や爽快さの上限が低く、育成もレベル上げと装備変更の数値上げくらいだから満足感を得にくい。仲間が魅力なのに引継ぎなど周回要素がないので見るのも大変。強いボスはパターンを読んで動きに対応するとか歩くだけでは到底できないので回復を積んでごり押しがほとんど。アクションとしてのおすすめ要素は……あまりない。

キャラやテキストの魅力がすべて

同期の仲間は遺跡に来た理由などイベントで個性がきちんと描き分けられ、みんなで仲良く世界を救いましょうな媚びが無いので個々の存在感が光る。
選択ひとつで仲間が死んでしまうこともあるが、その場面でも罵倒する者や擁護する者、無関心を通す者や同情する者など様々な人間がいる。それらの言動の根底には凄惨をきわめる世界情勢があり、取って付けた浅い設定だと白けてしまうところを、NPCの豊富な会話パターンなども借りながら状況を説明して説得力を持たせてあるから感慨深いものにしてくれる。これがこのゲームの一番の特徴であり面白い要素。

ゲーム世界を取り巻く設定が北斗の世紀末……。そんな世界でも場面ごとに変化するNPCのセリフのおかげで存在を感じられるから引き込まれ、地獄のような世界で紆余曲折を経て今があるキャラ群のイベントや言動が感情に届きやすいものになる
下地がしっかりしていればシナリオは面白くなり想像を掻き立てられ世界に浸れる。設定の表現力は理想的でした。アクションはシナリオ展開の段落的な要素。

・声なし
・周回要素無し
・テキストスキップあり

ScreenShot


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