
世代を超えても面白いRPG。
戦闘や育成に特徴と言える要素のない普通のRPGではあるが、そんな評価を飛び越えて魅力あるRPGとしての地位を確立させ、現在でも様々なプラットフォームで配信されている名作ゲーム。その理由はイベント演出によるシナリオ展開の訴求力が高いこと。ゲームを彩る下地と演出が他のRPGと一線を画す
ムービーを入れるでもなくフルボイスでもないが、劇中でのキャラは驚いたり喜んだり疲れたらへたりこむなどイキイキと動き、個性の描き分けられたテキストと立ち絵の表情変化も相まって感情移入を誘う下地を整えている。
その上に紡がれる物語を音楽やシナリオなどの更なる演出で彩るため、少し遊ぶだけでワクワクする展開がこの先に待っているのだと序盤の旅立ちで実感できる。
その序盤の導入は、死別した父親のような一流の冒険者を夢見るやんちゃ少年・ジャスティンの旅立ち。
その序盤の導入は、死別した父親のような一流の冒険者を夢見るやんちゃ少年・ジャスティンの旅立ち。
冒険者への夢を言葉でなく実行に移すまでに成長し、好奇心はとどまるところを知らず、ついには自力で旅立ちの乗船切符まで手に入れてしまう。
旅立ちはジャスティン視点だけでなく一人息子を送り出す母親にも焦点が当てられ、居なくなってしまう寂しさや不安などをさとられ息子の夢に水を差さないよう気丈に振る舞うも、隠し切れない親心を出港して後戻りできないところで潜ませた手紙にして伝えるなど、序盤から視野の広い演出でワクワクを煽ってくれる。
中盤以降は定番である「夢と現実の違い」を思い知らされ、別れや挫折などの紆余曲折による苦悩を痛感することになる。そこに仲間たちの思い思いの旅の目的や行動を共にしている理由などを絡め、逆境を乗り越える過程で形成される絆を前述の下地の上に描き、なおかつカメラワークや音楽などの演出で一層盛り上げてエンディングまで導いてくれる。
背景の壁画や時間帯による日差しの違いなどが街やダンジョンの雰囲気を描き、進行とリンクして変化するNPCの会話が情景を深める。これらゲームを取り巻く下地・演出がとてもいい。
演出を除くと普通RPG、キャラや雰囲気を求める人に
難点はUIや戦闘のぬるさなど。
アイテムインベントリが12個しかないので、常に管理を心がけていないと戦闘や宝箱の度に取捨選択をやらされることや、音声が入っている部分が少なくターニングポイントなのに残念に映ってしまうシーンがあるなど、面白いからこそ次第に気になってくる地味に嫌な難点がある。
戦闘は中盤で覚えられるジャスティンの竜陣剣を使えば相手は死ぬヌルさ。ダンジョンの無料回復を使えば、回復→一掃→回復の流れが最適化され作業的になってしまう。
魅力のある要素は演出やテキストに集中した極端なRPGだが、その魅力は群を抜いているので、戦闘や育成ではなくキャラや雰囲気を重視する人におすすめしたい、
・パートボイス
・テキストスキップなし
・名前変更不可
・周回プレイ時に引き継ぐ要素なし
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