イベントの演出で引き込むRPG。
戦闘システムやバランスは易しくて特徴と言える点も特になく、街の聞き込みで情報を集めてダンジョンへ行ってストーリーを進める典型的なRPGだが、それだけで終わらないようにしているのがイベントでの演出が秀逸な点。演出が普通を超えたRPG
ムービーを入れるでもなくフルボイスでもないが、キャラの動作が驚いたり喜んだり疲れたらへたりこむなど豊富によく動いてイキイキしているし、個性の描き分けられたテキストとイラストの表情変化も相まって感情移入を誘う。父親のような一流の冒険者を夢見る主人公の旅立ちから始まるストーリーは、序盤はただの夢見るやんちゃ少年の話だが、中盤以降は紆余曲折を共に乗り越えた仲間との絆が形成されていく過程など、現実を知り別れや挫折から主人公を成長させるイベントが増えていき、それらシーンでのカメラワークや音楽の演出が印象を底上げして一層盛り上げる。
壁画や巨大な像など細かい所まで書き込まれた背景グラフィックは街やダンジョンの雰囲気を作り出し、NPCの会話内容が進行具合によって変化する点も情景を深め、世界設定を遊びながらに自然と理解でき入り込める作りになっていて呼び水としても機能している。
これらゲームを取り巻く環境がよくできている。
演出以外は普通のRPG
難点も当然ある。各キャラの所持アイテム数が12個しかないので常にアイテム管理を心がけていないと戦闘リザルトや宝箱の度に取捨選択を要すること、音声が入っている部分が少なくターニングポイントであるはずなのに残念に映るシーンが目立つなど、細かいながらやればやるほど気になってくる地味に嫌なやつ。戦闘の難易度もヌルい。中盤で覚えられる主人公の技が強すぎて、それを一度使うだけで終わると言っていいほどになるし、ダンジョンの無料回復を使えば、回復→一掃→回復の流れが形になり作業的になってしまうほど。
魅力的な要素は演出やテキストのシナリオに集中した極端なRPGだけど、その魅力は群を抜いているので、戦闘や育成ではなくキャラや雰囲気を重視する人におすすめ。
・パートボイス
・テキストスキップなし
・名前変更不可
・周回プレイ時に引き継ぐ要素なし
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