
ビジュアルフォン(スマホみたいなもの)を使う特徴を追いやりシリーズにピリオドを打つことになったNOëLシリーズの3作目。
ある年のクリスマスに事件は起きる。
様々なテナントの入居する高層ビル「アクアタワー」がテロリストによって占拠され、タワーでクリスマスパーティの準備をしていた江珂高校の学生たちが人質とされてしまう。難を逃れタワー内に潜んでいる一部の学生と協力して人質の救出を図ろう……という1作目と2作目のギャルゲ要素が行方不明となった迷作ADV。
ゲーム開始時点の状況
- 高校はタワー内にある
- 3-Bの学生たちは縛られて別々の部屋に捕らえられている
- 主人公とタワー内にいる協力者の由香はスマホのような端末を介して情報交換ができる
- 由香の他数名はテロリストに見つかっていない
ネットワークから様々な情報を得る

レッツハッキング
そこで得られる情報は、画像、メール、チャットログ、成績などの学生の情報が主だが、その情報の中には「明日は教室でパーティの準備を手伝う」といった、捕えられたときにどこに居たかの場所のヒントとなるメールなどがある。まずはこれらの情報を集めて捕えられているであろう場所や人数を探っていくところから始める。
「思い出君」とよばれる自走式カメラを遠隔操作して人質の場所を特定する
集めた情報から出席者が捕われている場所を推測して自走式カメラの「思い出君」を飛ばす。
情報収集と撮影した人質の写真をタワー内に隠れている協力者の由香に端末を通して見せる。由香は3-Bの生徒でパーティの幹事役だったので、これらを見せることによりパーティの出席者/欠席者の数、写真に写っている人質の本人確認などの裏づけができる。
この作業を繰り返し続けることで人質全員の人数と位置を確定させて脱出の準備を整えていく。全員脱出がグッドエンディングの条件になる。
- ビジュアルフォン(会話)
- ビジュアルフォンを使った会話のキャッチボール要素は一応残っていて、情報のすり合わせの時などに行われる
- 会話方法は、会話カタパルトの右レーンに落ちてくるボールをキャッチをすると左のレーンに並び、使用できるタイミングで点滅するので選択すれば会話のキャッチボールが成立する
- ボールはタイミングを逃すと消滅するので、どれを使えばいいのか分からない前作の問題点は一応解消されている
人質全員を見つけた後、誘導して犯人に見つからないよう脱出させる
脱出画面
脱出は人質側が動いたら敵も動くという緊迫感のないターン制の要領で進められ、主人公が端末を介して由香や他の協力者に「移動」「シャッターのON/OFF」「アラームのON/OFF」のコマンドで指示を出し脱出させる。
時間内に人質を脱出地点まで誘導できれば成功になるが、テロリストと接触したり通気口を通る時の音で見つかってしまうと失敗となってしまうので、シャッターやアラームの操作を駆使してテロリストをかく乱しよう。
新しく追加された要素のハッキングは、ナノと呼ばれる自立プログラムが行ってくれるのでプレイヤーのやることは接続する端末とナノの選択をする程度だが、説明書でもゲーム内でも説明が不足しているため、まず何から始めてどこから手を付ければいいのかすらよく分からない。方向性を転換したのなら説明くらいちゃんとしてほしい。
ハッキングに成功したところで得られた情報が攻略に必要なものなのかの判断も難しい。分からないなりに進めた所で脱出はターン制という緊張感のない中で行われるため面白くなければ達成感もない。
難点もそのまま。
会話のキャッチボールという性質上音声のスキップが出来ないので、やり直す場合は同じ内容の会話を聞かなければならない煩わしさも相変わらず。一作目から時代の先取りをしていたが、ゲームとしての遊びやすさを度外視しているという点もお約束なこのシリーズ。これを最後に続編が作られなくなったのも頷けてしまう。
よかったのは収集する情報の豊富さ
どうでもいいモブのメールやチャットログ、画像など、ゲーム進行には全く無関係な情報も多くあり、相変わらず設定は凝っているなという印象は持てる。UIをまともにしてこれらの情報をキャラやイベントの掘り下げに使うギャルゲーなら面白そうなのに…と思わずにはいられなかった。
前作路線で会話と人物描写に特化させて遊びやすさを追求しておけばこんなことにはならなかったはず。特徴は会話やアニメなのだから。













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