【ゲームアーカイブス】迷走してシリーズ終焉『NOëL3 MISSION ON THE LINE』

★★ ADV PS1 ゲームアーカイブス


ビジュアルフォン(スマホみたいなもの)を使う特徴を追いやりシリーズにピリオドを打つことになったNOëLシリーズの3作目。

得体のしれない連中によって占拠された「アクアタワー」内にある江珂高校3-Bで、クリスマスパーティの準備をしていた生徒達が人質とされてしまう。タワー内に隠れている一部の学生とタワーの外にいる主人公が協力して人質に適切な指示を出して脱出を図る。1作目と2作目のギャルゲ感はなくなった。

ゲーム開始時点の状況

  • 3-Bの学生たちは縛られて別々の部屋に捕らえられている
  • 主人公とタワー内にいる協力者の由香はスマホのような端末を介して情報交換ができる
  • 由香の他数名は敵に見つかっていないのでスニーキングミッションを遂行する

ネットワークから様々な情報を得る


レッツハッキング
タワーの外にいる主人公は内部の状況が全く分からないので、学校のネットワークに接続してネットワーク上にあるノードを片っ端から調べ上げて情報を集めるところから始める。
そこで得られる情報は、画像、メール、チャットログ、成績などの学生の情報が主だが、その情報の中には「明日は教室でパーティの準備を手伝う」といった、捕えられたときにどこに居たかの場所のヒントとなるメールなどがある。まずはこれらの情報を集めて捕えられているであろう場所や人数を探っていくところから始める。

ネットワーク上のノードは属性によって色が異なり、灰色が学校施設のもの、黄色が部活動のもの、青色が3-B生徒のもの、緑色が学校外のもので、他にも赤や黒があり、それらはゲーム進行上で何なのかが発覚していく。

「思い出君」とよばれる自走式カメラを遠隔操作して人質の場所を特定する


ハッキングで集めた情報から、パーティ出席者が捕われていると思われる場所を推測して自走式カメラの「思い出君」を飛ばし、人質が写った画像と集めた情報をタワー内に隠れている協力者の由香に端末を通して見せる。
由香は3-Bの生徒でパーティの幹事役だったので、これらを見せることによりパーティの出席者/欠席者の数、写真に写っている人質の本人確認などの裏づけができる。この作業を繰り返し続けることで人質全員の人数と位置を確定させて脱出の準備を整えていく。全員脱出がグッドエンディングの条件になる。
  • 通信(会話)
    • シリーズ特有のビジュアルフォンを使った会話のキャッチボールで、テキスト表示はあいかわらず何も無い
    • 会話方法は、会話中に会話カタパルトの右レーンに落ちてくる会話ボールにカーソルを合わせてキャッチをすると、 会話ボールは左のレーンに並び、使用できるタイミングが来ると点滅をするので選択して投げる事でボールの内容の会話をすることができる
    • 会話ボールは使用タイミングを経過すると自然に消滅するので、前作の問題点は解消されている

人質全員を見つけた後、誘導して犯人に見つからないよう脱出させる

脱出画面
脱出は画像のような簡易の見取り図で行われ、オレンジ色が敵、黄色が仲間や人質、緑がシャッターとなっている。主人公が端末を介して由香や他の協力者に指示を出し、「移動」「シャッターのON/OFF」「アラームのON/OFF」のコマンドで、シャッターを下ろして犯人を隔離したり、アラームを鳴らしておびき寄せてその間に突破させるなどで人質をゴール地点まで誘導する。
これがまさかのターン制。脱出は人質側が動いたら敵も動くというターン制の要領で進められ、時間内に人質を脱出地点まで行ければ成功になるが、移動した先などで犯人と接触したり、通気口などを通っている時に音で見つかってしまうと失敗となる。
  • アラームを鳴らすと犯人がその方向へ行くので、その間に移動するかシャッターを下ろす
  • 時間をかけすぎるとシステムセキュリティのプロテクトが破られシャッター/アラームが使用不可になる

どうしてこうなった

会話の時間帯とかキャッチボールのやりさすさとかUIとか、そんな改善を求められていたと思うのに斜め上どころか明後日の方向に変貌した3作目。そのうえ色々と問題ばかりが散見する。
情報収集の細かい操作はナノと呼ばれる自立プログラムが行ってくれるので、プレイヤーのやることはノードと使用するナノを決める程度だが、説明書でもゲーム内でも説明が不足している為、まず何から始めてどこから手を付ければいいのかすらよく分からない
ハッキングも得られた情報が必要なものなのかの判断が難しい。分からないなりに進めた所で脱出は実質ターン制という緊張感のない中で行われるため面白い特徴になっているとは言えない。面倒な手間が増えただけ。

会話主体から脱出云々のゲームに変貌して会話が時々挿入される程度になりギャルゲー的な要素も薄れた。テンポにも難があり、ノードに敵のプログラムが仕込まれていた場合、その都度ゲーム進行が強制的に止まって長めの演出が入るし、会話のキャッチボールという性質上音声のスキップが出来ないので、やり直す場合は同じ内容の会話を聞かなければならない。このあたりの煩わしさも相変わらず。
一作目から時代の先取りをしていたが、ゲームとしての遊び易さを度外視しているという点もお約束なこのシリーズ。これを最後に続編が作られなくなったのも頷けてしまう。

収集する情報はどうでもいいモブのメールやチャットログ、画像など、ゲーム進行には全く無関係な情報も多くあり、相変わらず設定は凝っているなという印象は持てる。この情報をギャルゲーイベントの掘り下げに使うとかなら面白そうなのに。前作路線で会話と人物描写に特化させて遊びやすさを追求しておけばこんなことにはならなかったはずなのに。特徴は会話やアニメなのだから。
  • フルボイス
  • クリアすると手に入れた情報を閲覧できるモードが追加される
  • 前々作「NOëL NOT DiGITAL」の4ヵ月後の設定なので新規以外の登場人物は同じ

ScreenShot

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