【ゲームアーカイブス】無人島からの脱出『漂流記』

無人島からの脱出を図るSLG。

飛行機の墜落事故により無人島に流れ着いた6人の漂流者が、互いに協力して無人島からの脱出を目指す。
非情な現実に打ちのめされそうになるも協力して生きて帰ろうという目的を掲げて団結し、島内の探索で食べ物や水、無人島生活や脱出に使えそうな素材をベースキャンプに持ち帰り、それらを加工して島からの脱出を果たすための乗り物を作り上げていこう。

島内を自由に歩き回り素材や食材を調達

流れ着いた島を歩き回りながら素材を調達していき、ベースキャンプに持ち帰って様々な物に加工していくというのが一日の基本の流れ。
アイテムの作成はベースキャンプで行い、作成可能になる条件は、材料を必要個数分持っている、作成キャラクターのINTが足りている、設備（ノコギリや研磨機など）が整っていることで、これらを満たしていると自動的に作成可能リストに表示され、後は作成する個数を決めると要時間後に100%完成する（失敗は無い）。

無人島は大きく分けて9つのエリアに別れており、大きな川があって渡れないエリアがあれば丸太橋を作って渡り、橋ではどうしようもない距離ならば避難時に使っていたゴムボートを修繕して渡り、崖が上れなければ丸太からハシゴを作り、猛獣がいて進めなければ拾った銃を修理して威嚇する。このように自分たちで修理&作成したもので問題を解決して道を切り開くので、行き詰まりポイントなどでどうにかすべき直近の目標を設定しやすく、その結果として更なる選択肢や行動範囲が広がりがあるので没頭させてくれる。

操作していない仲間のパーティには命令を出せる

漂流者は主人公、鈴音、理香、沙織、絵里奈、教授の6人で、2人1組になって行動するが、自分が操作していないパーティには命令を出すことができ、パーティの切り替えも即座に可能なので、探索や作成パーティなどに分けるのが良い。
キャラには、POW、ATN、INT、OFEなどのステータスがあり、どのような行動をしたかで一日の終わりにステータスが変動する。ステータスには、ATNが高ければ一度に物を拾える個数が増え、INTが高ければ作れるものが増えるなどの効果があり、ステータスは手袋やリュックサックなどのアイテムを装備することでも増えていく。

肝心のアイテム作成要素に不備があるのが惜しい

自分が作ったもので行動範囲を広げていけるのでやりがいがあり、通せんぼの先に駒を進めると新たな素材が見つかったりするので、次々と作成や探索をしたいという気持ちを煽ってくれる。
物を拾ってきて作成するだけなので面倒な戦闘もなく、ある程度進めると「旗」を作れるようになり、特定のポイントに「旗」を立てておけばそこにワープできる親切な要素もあり遊び易さも考慮されている。
時折起きるキャラ別イベントに専用の絵が用意されている点や、のこぎりをギコギコ挽いたり炉の前で汗を拭いたりするドットの動きも良い。

システムも演出も良い……のだが、肝心の作成には看過できない不親切な点がある。
作成時に○○を作る為には△△が□□個必要という情報が明かされないアイテムが多い上に、そのレシピは必要となる材料や設備などの環境を整えて初めて表示されるので、必要となるかわからないのに適当に材料を作ってみないことには先に進めなくなり進行速度が目に見えて落ちていく。
序盤は物も少ないので大したことはないが、暗礁に乗り上げれば意義の曖昧な総作成作業でだらけるし、次はXXを作ろうという目標設定の妨げにもなり水を差す。そのうえアイテムは有限なので希少な素材を無駄に使ってしまうと作れなくなるものも出てきてしまう。
脱出方法はいくつかあり、簡単な方法ならば大量に手に入る素材だけで脱出できるので詰むという事態にはならないが、なんにしても不親切。

水や食料が無限湧きするポイントがあるので緊張感はほとんどなく漂流設定が大して活かされていないのも残念。
色々なアイテムが作れる点はこの類のゲームでは面白い要素のはずだが、おおよそ漂流した島では作れるはずのない無茶なアイテムまで作れてしまうのも漂流という状況とは合っていないし、漂流当日にナイフ一本でそこらの流木を使い豪華なログハウスを立てたりと設定は結構おざなり。
中途半端な設定や作成関連の仕様は残念極まりないが、作り方がわからないアイテムだけでもネットで調べてしまえば黙々と収集と作成ができる面白いゲームになる。調べられる環境があるならおすすめ。

・名前変更不可
・声なし
・テキストスキップなし
・周回時に引き継ぐ要素なし

ScreenShot

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