【ゲームアーカイブス】感情入力による掛け合いが楽しい『東京魔人学園剣風帖/外法帖』

★★★★★ ADV PS1 ゲームアーカイブス ストラテジー

感情入力会話による没入感が楽しい。

真神学園への転校生である主人公(名前変更可)が様々な怪奇現象に巻き込まれてしまうが、学園生活で得た唯一無二の仲間たちとそれに立ち向かう学園ものADV。
POINT
  • 個性豊かなキャラと9つの感情入力システムが特徴的なADV
  • 会話パートと戦闘パートを繰り返す進行
  • 会話の特徴は返答の感情入力、戦闘の特徴はキャラで敵を囲む方陣技

会話パートの感情入力で仲間の加入フラグが決まる

感情入力で会話に介入
会話パートの特徴は感情入力システム
これは、相手からの質問などに対して、愛、喜、友、同、悩、怒、冷、悲、一定時間何も入力しないと無視の計9つの感情で自分の意思を表現することができるシステムで、入力した感情によって相手の反応が変わって好感度が増減し、総勢25名の仲間が加入するかどうかのフラグが決まる。

感情入力は、方向キー上下左右と△□○×の各ボタンに感情が対応しているので、時間内に自分の感情に適したどれかを押すことで行う。感情入力は基本的に左側の「悩冷悲怒」が否定で、右側の「愛喜友同」が肯定の意味合いを持っている。感情入力の他にも通常の選択肢が出る場合があり、選んだ選択肢によって行き先が変わるなど同話中のみで小さな分岐をする。

戦闘の特徴はキャラで敵を囲って使う方陣技

まとめて一網打尽
戦闘は典型的なターン制のSRPG
戦闘では各キャラに行動力(AP)が存在しており、このAPが無くなるまでなら同ターン内で自由に何度でも行動できる。行動力は1マスの移動に3ポイント(マップによって移動に必要なAPは変わる)、ユニットの向きを変えるのに2ポイント、アイテムの使用は5ポイント、各技XXポイントといった具合で設定されており、行動毎にAPを消費しながら行動をする。

特徴的なのは通常の技以外に特定のキャラ複数人で敵を囲むと使える方陣技
方陣技には2~8人のキャラが必要になる様々な種類があり、強力な広範囲技が多いのでそれだけでも重要な攻略ポイントになるが、好感度が上がる、経験値が全員に入る、APを必要としないなど便利すぎる技なので、APがある限り何度でも移動できノックバックで敵の位置をずらせるシステムも相まって戦術の幅を広げてくれる。弾き飛ばしたり吸い寄せたり敵の位置を思い通りに変えて方陣技で一網打尽にするという連携も可能。方陣技を使用すれば控えのキャラもすぐに育てることができるので、やり方次第では気に入ったら方陣技に組み込み育成して即一軍にもできてしまう。
  • 同じ方陣技は同戦闘中には使えない
  • 戦闘に参加できるキャラは10人だが、5人は固定で選択できるのは5人まで
  • 行動力はレベルアップや会話パートで好感度を上げることで増やせる
  • セーブが出来るインターバルに旧校舎というフリーバトルが出来る場所へ行ける

感情入力での会話が抜群の一体感を生むADV

PSやSSの世代になってからキャラに音声や表情がつきテキスト量も増えた。そのおかげで仲間たちと一緒に様々なことを体験して信頼を築き、同じ目的に向けて手を取り合うという一体感を得られ、登場人物に愛着が出て一層シナリオにのめり込めるようになった。
主人公にはセリフが無く返答は感情入力で行うので、プレイヤーそれぞれが頭の中で浮かんだセリフがそっくりそのまま通って一体感が生まれ、まるで本当に自分が主人公になって友人付き合いをしているかのような気持ちにさせてくれる
感情入力による返答は決まったセリフを3択前後から選ぶ従来の選択式では決して味わうことができない遊び感覚を得られる。これが楽しい。
感情入力ポイントは数え切れない程あり、相手の反応も様々で、常識的な受け答え以外でもキチンと相応の返答をしてくれるため、キャラの人物像がはっきりと見えて媚びたものではなく生きていると感じさせてくれる。

特にその中でも固定メンバーとなる5人は、転校初日のイザコザから常に一緒に行動することになるため、学園生活を送る日常生活の中で次第に仲間意識や信頼関係が芽生えていく過程が自然体になり内輪の雰囲気が心地いいものとなる。
仲間内でプールや祭りに行ったり修学旅行でやんちゃしてみたり、ごく普通の日常生活をおくる過程での感情入力ですら楽しいから遊べば遊ぶほど期待が膨れ上がり、次々と問題の巻き起こるシナリオへの入り込み方にも熱が入っていく。キャラの存在感がプレイヤーをゲーム世界へ引き込む原動力となる特徴的なゲームです。
  • 好感度など条件を満たしていれば個別のエンディングを迎える
  • 周回時には所持金と装備屋の品揃えが引き継がれる
  • テキストスキップあり(速度変更ができるオート機能)
  • 戦闘時の掛け声と方陣技のセリフにのみ声あり

難点もそれなりにある

  • 方陣技の演出のスキップができない
    • 短くても10秒は掛かり、長いものでは30秒以上もかかるのでテンポが悪い
  • キャラのグラフィックが独特
  • 一部キャラのイベントフラグが難解すぎて攻略情報必須
    • 序盤に早速選択があり、それを間違うと後々のイベントが見られないこともある
    • 仲間にする方法が難解なキャラが少なくない
      • 媚びない人物像が確立されているということでもあるが
  • 方陣技のキャラの組み合わせのヒントが無い
    • 基本5人や仲のいいキャラ同士なら分かるが、それ以外はほとんど分からない

東京魔人学園朧綺譚

  • 剣風帖をクリアした人に向けたファンディスク
  • 外伝全6話
  • グラフィック鑑賞
  • 全キャラのエンディング鑑賞
  • エンディングフラグ操作
  • 音楽鑑賞
  • 剣風帖クイズ
  • 旧校舎100階
  • 螺旋洞50問(詰め将棋のような感覚で楽しめる勝利条件付戦闘モード)
  • 外伝は剣風帖本編で条件を満たしていないと遊べない話もある(セーブデータが必要)
  • グラフィック鑑賞は朧綺譚でエンディングを見た事があるキャラ
  • エンディングフラグ操作は螺旋洞50問をクリアしていることが条件

東京魔人学園外法帖(剣風帖との主な相違点)

  • 剣風帖の続編で、舞台が現代から幕末になり剣風帖の登場人物の先祖と思われるひとが活躍する
  • 戦闘や感情入力などのゲームシステムは剣風帖と同じ
  • 祖先と言うだけあって容姿や言動がそっくりなキャラも出てくる
  • 戦闘の固定メンバーは主人公だけ
  • 戦闘の参加人数は8人まで
  • 方陣技の演出のスキップ可能
  • 周回時に装備、アイテム、お金、レベルを引き継ぐ

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