PS1の『聖剣伝説』シリーズ作。
過去作との違いはベルトスクロール戦闘に変更されたこととランドメイクシステム。主人公を男女から選べるがセリフがないので大した意味はない。
ランドメイク
マス目状に区切られた地図にアーティファクト(以下AF)を配置すると町やダンジョンが生成され、配置したAFを選択して訪れたらイベントが発生し、そこでボスを倒すなりアイテムを集めるなりイベントをクリアすると新たなAFを入手できるという進行になるもの。最終的に25個前後のAFを配置できるので、スケールは小さいが自分なりのオリジナルの世界を作ることができる。地図上にAFを配置する世界なので面倒な移動が省けるのも良い。
面倒が目立つゲームデザイン
主な問題点1.イベント進行の手順が難解
2.エリアを切り替えるだけで復活する雑魚
店の店主にカウンター越しではなく裏から直接話しかけなければならないとか、道を塞いでいるキャラがその場を離れるまで物陰に隠れて待たなければならないなど、これらのヒントは大抵の場合になくて行き詰りやすい。
ダンジョン内でそんな停滞をしてしまえばエリアを切り替えるだけで復活する雑魚戦をやらされるし、前に進んでいるのかすらわかりにくいコピペダンジョンばかりだから、行き止まりで引き返してまた同じ構成の敵と連戦をやらされることになればイライラは必至。
ようやく進展しても主人公は蚊帳の外にいる無口だから踏み込まず脈絡が理解しにくいのでついていけない。雰囲気に合わせて抽象的・詩的な表現をするキャラも目立つし、ゲーム中の占い屋も謎かけみたいなことを言うから全く役に立たないなど、プレイの手助けとならなければならないこと全てがユーザーフレンドリーと程遠くて遊びにくいことこの上ない。
オムニバス式に小分けしたイベントを発生させる進行もシステムと合っていない。
適当に進めるだけではゲーム自体のエンディングを見ても完結できていない(発生すらしていない)イベントが数多く残ってしまう。色々なイベントを順に見て世界観を理解しておかなければ最後のAFを配置してラスボスを倒しても呆気にとられるだけとなる。
見方によれば色々な選択肢がある自由度ともとれるかもしれないが、RPGは世界に入り込めてなんぼだから進行の補助など遊びやすさはほしい。ただでさえ主人公は喋らないのだから飛び飛びシナリオの断片を見せられても理解できるわけもない。その合間をつなぐ戦闘やダンジョンが無駄散歩と無駄戦闘の繰り返しではどうにもならない。
アクション性の乏しい戦闘
武器は剣や斧、ハンマーに弓と全部で10種類近くあるが、攻撃動作は殆ど似通っているため、 実質遠距離攻撃可能な弓とそれ以外の2種類でしかなく使い分けも楽しくない。必殺技も見た目が違うだけで効果は直線上や自分中心にといったものばかりで面白味に欠け、発動するまでの時間も長いので命中させるのが難しく、魔法は弱すぎるので使う必要性が自体が無いなど、攻撃手段の豊富さというネタも活かせていない。
通常攻撃ボタンをタイミングよくポンポンと押しているだけの攻撃が一番効率が良くて強いという戦闘を、ダンジョンのエリア切り替えのたびに何度もやらされるため退屈も退屈、眠気とイライラだけが蓄積されていく。アクション自体も爽快感のないすり足移動のノロノロ操作だし、繰り返し戦ってレベルを上げようと思える出来ではないのに避ける術すらないのは相当なストレスとなる。
攻略本必須ゲー
イベントフラグが理解しづらくヒントもろくなくて攻略本を持っていることが前提になっているのに、しらみつぶしの移動やエリアの切り替えだけで復活する敵との戦闘など無駄が起きやすいデザインがまずい。攻略本がなければ不毛な総当たりや雑魚の連戦を強要されてしまうクソでしかないが、攻略本があればAFの配置やイベント進行などで無駄手間を生む全てを無視できるようになる。
攻略本を片手に進めることが要求される作業的なゲームが嫌いでないのなら、独特な表現をするテキストや統一感のある綺麗なグラフィックから溢れる雰囲気は良いので、設定や雰囲気を重視するという人にならおすすめできる出来になるとは思う。だとしても基本は雰囲気ゲーでしかないので人は選ぶ。
・テキストスキップなし
・声なし
・コンティニューは無限でその場復帰
・周回時はレベル、アイテム、お金、覚えたスキルなどすべて引き継ぐ
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