個別EDがあるギャルゲー要素の強いRPG。
主人公の一族は一定の年齢になると結婚相手を探す旅に出るのが掟。主人公がその年齢になったところから物語は始まり、父親から「旅立ちの手始めに近くにある祠に腕輪を納めてこい」と言われ、言う通りにすると祠から世界を破滅に導く力を持った魔王が飛び出してしまい、主人公は花嫁さがしのついでに魔王も倒すハメになってしまうのだった。そんなプロローグ。ゲームとしての特徴は、戦闘のAIによる自動行動とか、アニメで動く立ち絵などがある。
国と国が一本道でつながっている世界
宇宙空間のようなところに国(島)が浮いていて、国同士は細い道でつながっている。道中は横スクロールACTのようにミニキャラを動かして移動し、移動中に敵と遭遇するとシームレスで戦闘に突入する。
戦闘は自動でどちらかが全滅するまで勝手に動き、主人公は仲間に「技をつかえ」「アイテムをつかえ」といった命令を出せるが、好感度が低いと命令は拒否される。
到着後の国内の移動は一転してコマンド選択で行い、条件を満たしていればギルドに行った際にイベントが起こるので、万遍なく各国のギルドをローテーションさせて回っていくのが基本的なゲームの流れとなる。
- 各国にある冒険者ギルドを回って旅をしながらイベントをこなし魔王の情報を集める
- 魔王を倒すと好感度の高い仲間キャラと結婚できる(エンディング)
古いゲームにありがちな問題点が2つ
- ゲームバランスとテンポが共に悪い
- イベントの進め方にヒントが無い場合が多く異常に難しい
自動で戦う戦闘も敵が強すぎるのでただ見ているだけにはできず、命令も好感度が低いと言うことを聞いてくれなくてイライラを増長。やられそうだから回復魔法を使えと命令しても「いやよ!」「嫌!」などと言う有様で、そんなに嫌なら付いてくるなと言いたくなってしまう。ギャルゲーなので好感度を重視するあまりにこんな事態になるのだろうが、やって当たり前の事柄に好感度云々をもってくると、人としての良識を疑わせキャラ評価を落とすだけである。
イベントも不親切で遊び辛さに拍車をかけるが、一番の問題は進行方法にヒントが無い場合が多いこと。
例えば、女神の描かれた石版のある洞窟へ行けというイベントは、その場所が分からないので自分で歩き回って探すしかない。それはRPGなら当たり前なのかもしれないが、イベントには期日があるのでチンタラ探している暇が無く、しらみつぶしに回っていたら期日を過ぎて失敗扱いで終わってしまうことも少なくない。
「魂の指輪」を見つけてこいと言われるイベントは完全にノーヒントで、指輪が手に入る場所へ行くには、ある街の特定のポイントに行くと唐突に飛ばされるという納得しがたいもの。こんなのばかり。
思い通りに遊ばせてくれないRPG
この時点で攻略本は必須となるが、意中のキャラをパーティに入れること自体が難関というギャルゲーらしからぬシステムが更に攻略のハードルを高くしている。仲間は2人までの決まりがあり、そのうちの1人はギルドが勝手に決めて強制メンバーとされ、あと1人はギルドにいなければ誘うことができず、これも戦闘の命令と同じで理由はよく分からないが頻繁に断られる。やっと意中のキャラが仲間になっても再びギルドに戻ってしまうとパーティは強制的に解散させられてしまい、また仲間の入れ替えとなってしまう。
意中のキャラを仲間にしたらギルドに行かなければいいと考えそうだが、疲労度という余計な要素があり、一定以上の期間同じキャラを連れ回していると「疲れた」と言いだして好感度が下がるため、疲労回復のためギルドの宿で休むよう徹底されている。一応国と国の間にある中継地のギルドであれば訪れてもパーティの解散はないが、当然イベントが起こるギルドは決まっているのでそれも許されない。
同じキャラばかりで単調にならないようこのようなシステムを採用したのだろうがバランスが練られていない。上からは魔王やイベント期日、下からは仲間の愚痴、常に面倒な板挟み管理を意識させられる中間管理職ゲー。
絵柄は古臭いものの立ち絵はアニメで動く良い出来で、イベントでアニメが挿入されることもあって演出面はなかなかのもの。でもこれらは面白いゲームをより良いものにする要素であって、面白くないゲームを面白くするものではない。今遊ぶには窮屈なシステムがつらい。胃を痛めるRPG。
・名前変更不可
・フルボイス
・テキストスキップなし
・クリア後にサウンドモード、フリートークが開放される
・イベント回想モードあり
・周回時に引き継ぐ要素なし
・攻略対象は8人(クリア後に追加されるらしいが詳しいことは不明)
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