ロボSRPG。
- 敵と味方交互のターン戦という典型的なSRPG
- システムは移動と各種行動が1回ずつ可能な基本中の基本ばかりで入りやすい
ヴァンツァーはボディ、左右アーム、レッグの4つのパーツで組まれており、各パーツでHPや命中力や移動力が異なる。武器はグリップ装備にショットガン、ライフル、マシンガン、ナックルなどの格闘武器、シールドの5つがあり、ショルダー装備にはミサイルとグレネードがある。ショットガンの攻撃は全てのパーツに均等にダメージが入り、マシンガンは全体に散り、ナックルとライフルは1ヶ所に一発だけが入るという特徴があり、戦闘前にセットアップでこれら各パーツと武器を重量や出力などを考慮しながら装備させていく。
ボディが破壊されるとその機体は戦闘不能となり、アームが破壊されると装備していた武器やシールドが使用できなくなり、レッグが破壊されると移動力が1に固定されるという特性を持つ。
このゲームにはスキルという要素があり、スキルは戦闘時に一定確率で発生して、弾が当たるパーツを固定したり、一定以下のダメージを無効化したりと戦闘に役立つ様々な種類が用意されている。このスキルを覚えるためには、スキルが設定されたパーツを装備させて戦闘を行う必要があり、敵に攻撃を仕掛けたり仕掛けられた際に一定の確率で閃き覚えることができる。
店で売られていないパーツを手に入れるためには敵機を降伏させて奪わなければならないが、攻撃を与え続けて弱らせて戦意を喪失させた後で何かしらの攻撃行動を行うなど工夫が必要となる。
シンプルになったセットアップやバトル
前作と比較すると武器やパーツの種類が減って余計な煩雑さがなくなり親しみやすくなったのは好感が持てるが、仲間になる人数や戦闘に出撃できる機体数が4機のみと大幅に減らされて戦略性は大きく落ち、4機が固まって移動して目の前にいる敵を各個撃破していくだけになってしまった。敵軍の大部隊に追われたり拠点に奇襲をしかけたり、これらミッションを4機で蹴散らしてしまうのだから戦争を背景に置く物語の説得力は欠く。戦闘演出を短くして省略までさせてくれるのなら、従来通りに広い戦場で10機程度は出撃をさせてほしかった。
シナリオは大幅に強化された。
序盤の選択肢でルートが2つに分岐するが、同ルートでの戦場の使いまわしの水増しはなく、両ルートを合わせると100を優に超える充実したミッション数を誇る。片方のルートでは味方だったキャラクターが別ルートだと敵になったり、主人公の立場を変えて別視点から展開されるシナリオで掘り下げが十二分になり設定の理解が深まる。初っ端の選択肢で分岐するため、同じことを分岐点まで繰り返す必要もなく新鮮な気持ちで色々と持ち越した周回プレイを楽しめる点も良い。
難点は脳筋の主人公「カズキ」。
カズキは頭に血が上ると周りが見えなくなる直情的なキャラで、様々な場面で勝手なことを喚き散らすのでとにかく印象が悪い。ゲーム開始直後に妹の務める仕事場で事故があり連絡が取れずに心配をするも、中には入れてもらえないとわかるとヴァンツァーで乗り込んでしまうという究極のお馬鹿さん。終始このような思慮に欠ける言動を繰り返すのでついていけない。要我慢。
まとめ
1~2作目のような大部隊を指揮する戦略性はなくなったけど、面倒なものが簡略化されたので取っつきやすくなったシリーズ3作目。テンポの改善でサクサク進むしパーツ固有のスキルがなかなかぶっ飛んでいてこの類いのゲームとしては珍しく爽快感もある。スキル発動は連鎖するので数回続くだけでも「ずっとオレのターン!!」のように弾切れになるまでミサイルを撃ち込めたり文字通り蜂の巣にできてしまうほど。主人公を含め作風が一気に変わってしまい、以前のような戦略性を求めていただけに戸惑いもあったが、スキル連発の無双による戦闘はテンポが良く飽きる前に話を展開させてくれるし、使い回しの戦場の水増し要素もないから、パーツ収集やスキル習得などの意欲を誘うものに常に引き寄せられ結果的には楽しめた。SRPGとしては十分面白い。
・テキストスキップあり
・戦闘演出スキップあり
・周回時は覚えたスキルを引き継ぐ
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