【ゲームアーカイブス】ガンパレードマーチ【自由度】

★★★ ADV PS1 ゲームアーカイブス ストラテジー


ガンパレードマーチ。

概要
  • 幻獣と呼ばれる化物との戦争に徴兵された5121部隊の学兵パイロットの物語
  • 学園の育成パートと戦闘パートの繰り返しで進みゲーム期間の2か月間を生き抜く
  • 特徴は部隊を牛耳る自由度

学園パートの特徴は提案コマンド

舞台となるのは尚敬高校の一部を間借りした即席の戦車学校で、5121小隊の隊員26人は全員が幻獣との戦いに備えて各々のスケジュールで仕事に訓練にと学校内で生活をしている。主人公もそのうちの一人となって人類の勝利に向けて日夜研鑽を積むこととなる。
この学園パートの特徴は「提案」で、個人やその場にいる全員に対して「訓練」「仕事」「交換」「会議」などの提案を持ち掛け、幻獣との戦争に勝つため能動的に適切な行動を心掛け部隊を強化していかなければならない

大抵の隊員は自部署の仕事を第一にスケジュールを組んでいるので、別のことをやらせたければ一緒に訓練や仕事をしようと提案する必要がある。
部隊に物資が足りないと思えば誰かに調達を提案してみたり、険悪な空気をつくりだす仲の悪い連中が居たら提案で間に入って仲直りをさせて関係改善をする。
時には会議をしようと提案して部隊の方針転換させてみたりと色々なことに介入できるので、「提案」を駆使してプレイヤーが能動的に動けば動くほど部隊は円滑に強化されるし逆も然りの自由度が楽しさのひとつ

強化以外でも仲良くなった相手が異性であれば恋人にもなれるし、嫌われたら喧嘩を吹っ掛けられることもある。自分や他の隊員の部署を変えてしまうことも可能なので、戦場に出ることのない気に入らない整備士をパイロットに配置換えして最前線に持っていき謀殺することもできてしまう。
「提案」を上手に使いこなせれば部隊はぶっ飛んで強くなるし、何をするにしても自分の思い通りに作り替てしまえる自由度はなかなかの特徴である。

指示待ちにならず提案を駆使し能動的に行動するのが大事

部署には主人公のパイロットの他にも、司令、オペレーター、事務官、衛生官、スカウト、整備主任などがある。
当然それぞれの役割は違い、パイロットなら学園パートでは自分の乗る機体の整備・調整であったり、戦場ではいかに被弾せずに敵を倒すかが重要となるので肉体強化に勤しむ(戦闘で受けた機体のダメージは整備の仕事で回復しなければならないので)。整備士なら破壊された機体を修理して次の戦闘までに戦える状態に戻すのが仕事となり、機体の状態が万全なのならば他部署の仕事を手伝って部隊全体の状態を上げていく。
その効率を上げるため提案で能力UPアイテムを渡したり一緒に相手の部署の仕事をしたり暇してるやつに別の部署を手伝えと指図したりする。
戦闘は特定の日時ではなく突発的に出撃させられるので、チンタラやって歯車が狂ってジリ貧になってしまわないよう、部隊の状態を常に確認しながら適当な提案をその都度行うことが最重要となるのです

戦闘は1ターンで10ステップ分の行動を設定する特徴的なシステム

敵味方交互のターン制ではなく、1ターンは10のステップに分けられ、同じように移動や射撃などのコマンドも固定のステップ数で分けられ、ターンの開始前に10ステップ分を設定して10ステップ分が流れると次のターンになる。
例えば移動コマンドの「走る」なら「GFFG」で4ステップ、攻撃コマンドの「射撃」なら「GAGW」の4ステップで、戦況から次のターンは敵がどう動くかを先読みして敵の射程や射角から抜けてさらに撃ち込めるよう、10ステップ分のコマンド設定を行う。
戦闘は1ステップずつ流れていき、設定したコマンドのステップ数を満たしたキャラ順に自動で行動をしていく。ステップをターン内に満たせなかった場合は次のターンの頭に残りのステップが持ち越されるため、後手に回ることなく敵の動きを先読みして無駄のないステップ設定をしていこう。
  • 経験値やレベルの概念は無い
  • 強化は学園パートでの訓練や整備、提案や陳情で強い武器を手に入れることで行う

プレイヤーが目的や目標を作って遊ばなければならない

このゲームは、用意されたものから自分で楽しみ方や目的、やりがいを見い出すということができないと、2か月間学校へ行って会話や育成をして時折起こる戦闘を淡々と繰り返すだけとなってしまう
そうなってしまう主な理由はストーリーの薄さとイベントの少さ。
戦闘は勝ったところで被弾した機体の数値が減るだけで何も得られないので時間を取られる作業でしかない。学園パートも誰かと仲良くなったり恋仲になった所で特別なイベントはほとんど用意されていない。提案を含め選択肢が多くてもそれに合わせたイベントは無い
エンディングまでの過程は自分で考えて試行錯誤していけ……というフォローも何もない投げやりな自由度でもあるため、頑張ってもそれに見合う見返り、要するにストーリーやイベントなどが無いことが部隊強化作業に対する意欲と結びつきづらくしている。自分の行動次第で変わる結果をそのまま達成感と受け取れるかどうか楽しめるかの分かれ目

まとめ

幻獣に蹂躙されている世界の設定を描くテキストはこのゲームの面白いところで感心させられることもある。キャラ描写も変態が居たり子供が居たり個性を感じられる書き分けで印象に残り好感を持てる(意味不明なものも多いが)。
この辺りの下地は間違いなく良いので、ゲームとは言え目標を立てて能動的に活動して結果を出すことや、足りないところを想像で補うことができるなら楽しめるのではないかと思う
用意されたストーリーやイベントを楽しむ普通のゲームとして遊ぼうと思っている人には時間を取られる戦闘とテンポの悪い育成が悪目立ちする。評価は綺麗に二分すると思う。

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