ベルデセルバを舞台とした戦争をパイロットとして戦い抜くADV。
- 戦闘は飛空船の大砲での砲撃戦で、機関銃などの類いは無い簡素なもの
- 途中の選択肢次第で所属勢力を変更してシナリオが分岐する
プロローグ
惑星ベルデセルバはパスクと名乗る高度な文明を持った異星人に占領され、それ以来鉱石採掘のための植民地としての歴史を歩んできた。しかし、ベルデセルバの文明が向上するとともにその支配力は衰え、各地で独立戦争が勃発し始める。パスク人の「ノイパスク」、ベルデセルバ人の「グラシアル・ギダン国」、同じくベルデセルバの「ムノギイ連邦」、3つの国がいつ終わるとも知れない長い戦争を続けていた。主人公ミサキは宇宙船の事故によりこのベルデセルバに不時着し、戦争に巻き込まれることとなる。簡素な編成
ADVパートでRPGのように見下ろし視点で主人公を操作して街や基地を歩き回り次の戦闘イベントのフラグを立てる。イベント発生後は飛空船のカスタマイズをして戦闘準備。飛空船の武装は、エンジン、プロペラ、装甲、砲台、弾丸変更の5つで構成され、エンジンを変更すると最高速度が上がり、プロペラを変更すると最高速度や加速力が変化し、装甲は変更すると機体の耐久力が上がる代わりに修理費用も高くなる。砲台には3種類がありそれぞれ扱える弾薬が違い、2連射や4連射、自動砲台や射程の違いなど砲台自体にも色々な種類がある。
飛空船も前方にしか砲台のない機体や細長くて側面に砲台がズラリと並ぶ機体など種類は6と少ないが性能の差別化がされている。
準備が整ったら離陸して戦闘へ
戦闘前に仲間と弾丸が設定された砲台は、ロックオンした敵飛空船が射程に入れば自動で砲撃が行われるので、プレイヤーは仲間が攻撃しやすいよう距離を詰め砲台が敵に向くよう飛空船を操縦する(主人公の担当する砲台から攻撃もできる)。敵を全滅させたり特定の地点に逃げるなどのクリア目標を達成したら自動で戦闘が終わってADVパートに移行し、再びイベントフラグを立てるため歩き回るという進行になる。
「大空をゆったりと飛ぶ快感」という売り文句にあるよう大砲でドンパチやりあう艦隊戦の雰囲気は出ているし、敵の砲撃を避けたり後方に回り込み有利な状況を作り出すドッグファイト的な臨場感もそれなりに得られるので、最大でも20機すら行かない空戦ではあるが特徴といえるだけのものにはなっている。
プレイヤーの想像にお任せしますを地で行くペラペラ完成度
ゆったりでも戦闘はそれなりに遊べるのだが、戦闘と戦闘の幕間で盛り上げてプレイヤーを引き付けなければならないADVパートの説得力が皆無でやればやるほど白けてしまう。異星人である主人公の生い立ちだったり、オユキクルが上官のカフィの思想に共感・尊敬しているその理由、ノイパスクとベルデセルバの未来を案じた末、姉はノイパスクの軍人となり妹は空賊となった姉妹の話、その姉妹が影響を受けたらしい両親の平和に対する思想の根幹の話など、設定や伏線だけは沢山作っているようなセリフは作中にいくつも見られるが、それらに深い描写がさっぱりなく拾われることがないのでまるで引き込まれない。
キャラや世界を知ることの出来る描写が足りないので展開が一本調子になり、何が起きても根底の部分がよくわからないから説得力がなく常に蚊帳の外で詰まらない。異世界なのに設定を掘り下げて説明する気がないらしく読む気にもなれない。
もはや掘り下げることを意図的に拒否しているかのようなほったらかしで疑問が残るため、描かれていない部分を想像で補おうとか考察する気は全く起こらず、クリアしてもキャラ名すらロクに思い出せない程に何も印象に残らなかった。やれることは考察ではなく何も書かれていないネタ帳からの妄想。
もはや掘り下げることを意図的に拒否しているかのようなほったらかしで疑問が残るため、描かれていない部分を想像で補おうとか考察する気は全く起こらず、クリアしてもキャラ名すらロクに思い出せない程に何も印象に残らなかった。やれることは考察ではなく何も書かれていないネタ帳からの妄想。
分岐させて所属勢力を変えたところで結局は同じ展開になり、各国の思惑の違いなど分岐させたからこそ知ることのできる描写もなく、色々な視点からベルデセルバの設定を深める「たられば」的な面白さもまるでない。何のための分岐だ。何のための設定だ。「風呂敷を広げる」という言葉はこのゲームのためにある。
空戦は特徴的なだけでおすすめきるほど面白いとはいえない。なのでおすすめできない。
空戦は特徴的なだけでおすすめきるほど面白いとはいえない。なのでおすすめできない。
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