『ヒロインドリーム』の1作目。
今後10年20年活躍できるようなスーパースターを育てる『ヒロイン計画』の一環として、全国から5人のヒロイン候補生がスカウトされて芸能学校へ入学する。プレイヤーは候補生のひとり「舞木静」の育成を担当するディレクターとなり、育成をしながらオーディションなどの様々なイベントを成功させ、静をスーパーヒロインに育て上げることを目指す。
テキストの表示されないフルボイス演出や、育成方針や最終的なパラメータによって女優やモデル、歌手といったエンディングが用意されている点などが特徴。もちろん、静以外の候補にもエンディングは用意されている。
『プリンセスメーカー』の芸能学校版みたいなゲーム
ゲームシステムは『ときめきメモリアル』と『プリンセスメーカー』を組み合わせたようなもの。週の初めに静の育成方針を決定したらあとはSDキャラのアニメと共に数値が変動するので、これを毎週繰り返してパラメータを強化しながらオーディションなどに応募して名前も売っていく。
舞木静は平均的な能力を持っているが何かの分野に突出しているわけでもないキャラなので、3年の間に、演技、発声、音感、感受性、自信、運動力、魅力の7つある分野の才能を開花させていくことになる。
主人公の占い師設定での育成に疑問
あくまでも候補者と育成スケジュールを管理するディレクターという関係なので恋愛的なイベントは薄い。そもそもディレクターとして静に接触することを禁止されているので(理由はプレイ中にわかる)、学園に出没する占い師として接するしかない。そのためイベント内容は間接的な二人三脚という不思議なものになる。
例えば、スケジュールの如何やオーディションの結果や初仕事の報告などを手紙や録音した音声で伝えたり、他の候補者と自分を比較して落ち込んでいる所を通りすがりの占い師として励ましてみたり……。
コナン君のようにバレそうでバレないもどかしい関係が続き、明確に正体が明かされるのは最後の最後となるので、終盤の展開に良くも悪くも期待できそうなものなのだが、この設定が物語上で意味のある要素としては機能しておらず肩透かしをくわされてしまう。
決して候補者にディレクターである事はばれてはならないと念を押されるが、他のディレクターは校内で普通にディレクターとして接してくるし、正体を隠さなければならないのにディレクターの部屋に静が難なく入れてしまうし、そもそも占い師が毎日校内をうろつくヤバい理由も大して描かれていないなど、設定を蔑ろにしたことが平気で起こるのだから明らかに設定が浮いていて納得いかない。
この程度の扱いならば他のディレクターと同様に直接指導を可能にしたり応援する形にしていた方が、ベタではあるが手塩にかけて育てているという感覚も得られイベントも一層印象深くなっていたと思わざるを得ない。ちなみに、次作の主人公も探偵という設定があるためチグハグな育成となる。当たり前のように機能していない設定を入れたがるのは何故なのか。
まとめ
正体隠匿の理由と実態がかみ合わない中途半端な設定はあるものの、生粋のギャルゲーではない育成物であることや、手紙や録音テープでのお礼の返事は時代を感じる独自の魅力があり、初っ端から不愉快な言動の個性先行キャラも特にいないので、 『プリンセスメーカー』のような育成ゲームが好きなら楽しめそう。主な難点は、音声の聞き直しが不可なのにテキストが表示されないから、聞き逃さないよう緊張感をもって最後まで聞かなければならない尖った演出そのもの。
続編の『ヒロインドリーム2』もほぼ同じ内容なのでプレイするつもりならどちらか一方でいい。
・イベント回想やアルバム機能なし
・フルボイス
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