半リアルタイム戦闘が特徴のPS1RPGのリメイク作。
敵も味方も子供もオッサンも総じて魅力があるキャラクターが良い。戦闘もリアルタイムの要素が取り入れられ、自分で作戦を考えて戦っている楽しさがある。壁役としてあそこまで走らせよう、村人が襲われそうだから回復詠唱待機させておこうなど、常に先を見て行動しなければならないので、コマンド選択RPGの“単調で面倒だから早く終わらせたい”と思わせる部分が少なく、戦闘で色々考えた充実感がそのまま面白さとして変換される。ストーリー上やイベントでのセリフも充実していて個々が立っているし、主人公は無口だけどお供のティピが代わりに喋り、気に入らなければ選択肢による反発で介入も可能なので存在を意識でき仲間との一体感を得られる。そのうえでインターミッション(休暇)で人物像を掘り下げていくという点が、自然と信頼関係を生む過程を感じさせてくれるので、周回の意欲を誘う程に全キャラに愛着が湧く。キャラクターも戦闘も出来が良い名作RPGのひとつ。
そのリメイクとして当時期待していたが……
オリジナル部分には手が加えられていないので分岐までが長く終盤にさしかかるところまでは一緒。分岐後の新ルートは音声が無い部分が多く音質もマチマチなので違和感が付きまとい、主要キャラのウォレスとルイセ、説明等で喋る必要があるキャラ以外はセリフ自体がほとんど用意されていないし、余計なキャラはその場面を描かずして強制的に退場させる強引な手法もあり、手間を減らす目的の手抜きが見て取れた。オリジナルキャラは出番が多く用意されているので分岐までに魅力を持つまでになっているが、アメリアは休暇の会話が序盤からあり仲間になるからマシとはいえ、メルフィは思わせぶりな雰囲気はあっても出番の少なさから掘り下げが足りず、人間とフェザリアン関係改善の架け橋というオチのために入れられた存在としか受け取れなかった。棒な点も一人だけ浮いて悪目立ち。売りにしているリシャールも固定の仲間なんだからウォレスやルイセ同様に喋らせるべきで、これもこれで特にイベントもなく仲間に出来るというだけだった。
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