夜想曲1。
人物がシルエット、全面にテキスト、選択肢でシナリオ分岐、主人公の性別選択、それら要素の揃ったサウンドノベル。プロローグは、単位の足りない大学生の主人公が、夏休みの間アルバイトで図書館の管理人をすれば単位をやるという話にのせられ、人の死に関わった本ばかりを集めた山奥にある人里離れた不気味な図書館へ赴くというもの。
主なシナリオは4話分でEDリストや登場人物リストを埋めたら遊べる完結編や外伝のシナリオが4つある。メインの4話にはエンディングが10前後用意されているが、おまけの4つは分岐なし。
メインとなるシナリオが4つしかない点は少し寂しいが、その内容はいわくつきの本が絡んでいるので興味を引かれるし、エンディングを見る毎に本棚に各EDのタイトルが書かれた本が置かれていく演出も図書館らしい雰囲気がよく出ている。
ただ、それらの本を見つけたり何かが起こると本の寄贈者や関係者に会いに街へ行くという流れになり、せっかくの不気味な「あかずの間」があったりする図書館の舞台があまり活かされていないので、プロローグと本編に一貫性があまり感じられない。原作を知らないから言えることなのかもしれないけど、欲を言えば図書館内やその近辺で話を展開させてほしかった。
受け入れがたいやり込ませシステム
グッドEDを見ないと次の話が遊べないのはいいにしても、EDリストを埋めないと遊べない話や、登場人物リストを埋めないと遊べない話があるなど、埋めないと遊ばせないやり込ませ前提となっている。おまけのシナリオならまだしも完結編ですらこれに該当するので目も当てられない。それなのに特定の場面に戻ってやり直すチャート機能や選択肢の色を変えるフォローがなく、スキップはオート機能でしかないし選択肢を選ぶとオートセーブされるのでロードしてやり直しもできない。このためEDリストや登場人物リストを全部埋める事はやり込ませ感のほとばしる作業となる。
話自体は面白いとはいえ変化すら乏しい話の繰り返しは面倒くさいし遊んでいて楽しくない。他の話を見たいという欲求の後押しでやるのとやらされでは意味が違う。舞台の雰囲気は良いがゲーム性が悪いサウンドノベルならぬサギョウノベル。
夜想曲2
概要
- サウンドノベル『夜想曲』の2作目
- 前作同様に人の生死に関わった本ばかりを集めた図書館が舞台のお話
- 前作同様に主人公の名前変更や性別の選択が可能
新要素とか
設定については前作と全く一緒だからなのか詳しくは語られないので前作を遊んでおいたほうが入り込みやすい。今作の新しい試みで「ミステリーチップ」が追加され、気になる所や突っ込んで調べたい場面で使うと、その方法でしか進めることができないルートへ行ける。端的にいうと見えない選択肢。
やり込ませの解消はされず、ミステリーチップも相性が悪い
エンディングを3つ見たらスキップができるようになるが、既読未読判別は無くすっ飛ばすので、正解の選択肢を見えなくしているだけのミステリーチップシステムとの相性が悪く、スキップしたくてもミステリーチップポイントを探すため出来なくなるジレンマが生じる。そのミステリーチップも使用箇所が難しくてヒントも無いので正解を見つけることが困難というおまけ付き。
例としては、本の寄贈者に会いに行った時に机の上に置かれている書類について主人公が何気なく語る所だったり、どれ選んでも同じ結果になる選択肢も大量にあるから厄介なだけ。
やり込ませも相も変わらずで登場人物リストやEDリストを埋めないと遊べないまま。
これにミステリーチップという超難易度を入れたがためにやり直し作業が一段とパワーアップしてしまった。選択肢を選ぶとオートセーブされるのも前作同様なので、ロードしてやり直すということもできない。
まとめ
相変わらずのやり込ませが目に付くし、新要素のミステリーチップも難易度が高すぎる。読むだけゲームなのにシステムが整っておらず、発見もくそもない反復作業がプレイ時間の多くを占めて楽しもうにも楽しめないサギョウノベルの続編。お前変わらんかったな。
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