【ゲームアーカイブス】ダイヤル錠パズル『アディのおくりもの』

★★★ PS1 PZL ゲームアーカイブス


ダイヤル錠パズル。

ひとつひとつのリングが取り外し可能なダイヤル錠の形をしたおもちゃ、「ログロック」を使ったパズル。それぞれのリングにはアルファベットがAから順に全て書かれており、リングの交換や回転で文字を組み替えてお題通りの並びにする。

概要

『アディのおくりもの』は牧歌的な夢の世界が舞台になっていて、存在する動物や植物などのアルファベットの綴りをログロックで組み替えてしまえば、それらに変化させられるというエグい特徴がある
牛が道の真ん中で通せんぼをしていたら、ログロックで「cow」→「cat」と組み変えると実際に牛が猫になって通れるようになるなど、ただ問題を解くだけでなく様々なものを変化させながら世界に干渉して物語を紡いでいく。
変化させることに意味をなさないお使い問題もそれなりに多いが、突拍子もない世界の街で対象を変化させていくという構成は夢の雰囲気を演出して引き込んでくれる。
  • 問題数は62+クリア後の24の計86問(練習問題を入れるともっと多い)
  • 自分で問題を作れるコンストラクトモードがある

ログロックの仕様

回転で文字列が変化する
ログロックのリングは、入れ替えの他に90度の回転や反転ができ、それに合わせて文字自体の性質も変化する特徴がある
例えば、「W」を右に90度回転させると「E」になり、「VWX」の並びも「DEF」に変化する。「O」のようにどう回転させても変化しないものや、「I」のように回転させてもアルファベットで表現できない場合は、すべての文字が解読不能な記号に統一される。

画像では、「COIN」を左に90度回転させると、「C」は「U」になり文字列もそれに倣い変更され、「O」は回転させても変化せず、「I」はアルファベットには無い記号となりそれに統一され、「N」は「Z」となり文字列が変更される。リングの入れ替えや、これら回転を利用してお題通り(画像の場合はRING)に文字を組み替えていく。

ノーヒント、爆弾のペナルティ、手数制限など、ハードルが高い

クリアまでの手数はQUALIFYの欄に表示されており、それを越すと一手ごとに得点が1ずつ減っていくシステムで、解答までの手数が少なければ少ない程高得点が貰えるようになっている(RECORDを更新したら更に得点が加算される)。
得点は体力としての役割もあるので手間取ってTOTALのSCOREをゼロにしてしまうとゲームオーバーとなるこれが曲者でゲームを窮屈にしている

ただでさえ問題が難しくて得点を貯めることが困難なのに、爆弾が仕掛けられた特定の文字を中央に持ってきてカーソルを合わせてしまうと爆発して得点が減らされてしまうペナルティがある。この爆弾はUNDOで手を戻すと復活するなど非常に厄介な存在で、できる限り最適解を導き出さないと得点が増えていかないシステムと相まって難易度を大幅に上げている。手数制限を越すと答えの単語を作ったところでクリア扱いにはならないから爆弾はストレスでしかない。

パズルも物語に溶け込めているかというとそうでもなく、通せんぼしているものを変化させることと、手元に無いものは手持ちのものを変化させるイベントばかり。後者は「足りないから持ってきてくれ」のお使いやたらい回し展開になることもあり、物語に抑揚が見られずゲームであることを感じさせない単純なパズルを演出してしまっている。

キャラの3Dモデルも昔馴染みのずんぐりむっくりな不細工。
画面右下に2Dの絵が表示され移動中は走ったり動きで喜怒哀楽も表現しているので見栄えの悪い点も多少は緩和されているが、イベントでは丸太3Dモデルだけの演出なのでやはり割り切りが必要。

ルールがユニークな高難度パズル

アルファベット26字に回転や反転による配列の変化など、答えを導き出すための選択肢が多いわりにヒントが無く余計な爆弾もあってハードルが異様に高い。難解な知恵の輪でも容易に解いてしまえるような柔軟な思考や着眼点を持っている人はドはまりしそうな難易度。閃きの足りない平凡脳には面白さと同時に窮屈なつらさもありました。

ScreenShot

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