【DRPG】ぱすてるチャイムContinue【PSP/PC】

ダンジョンは初級と上級があるが、敵の強さと罠の数が多くなるだけで代わり映えせず、その罠もストレスを煽るものが目白押しという地獄のダンジョンになっている。
例えば、隠れた敵に奇襲される、消費アイテムを盗まれる、強制帰還、即死、暗闇、操作反転などで、これらの罠が所狭しと潜んでいるダンジョンは、罠を回避するためのスカウトの罠解除技能が無いと満足に進めなくなるので、技能習得やPTM選択の自由を阻害している側面もある（そもそも4つしかクラスがなく仲間も2人しか入れないが）。

罠の解除は開錠スキルのコマンドを何度も選び罠の体力ゲージが空になるまで繰り返すだけなので、通路と小部屋だけで他に何も仕掛けの無いシンボルエンカウントダンジョンでは、緊張感も頭を使う要素も見当たらず単純に時間を食うだけの要素にしかなっていない。敵も罠も実質は通り抜けられないから強制固定エンカウントのようなもの。
その上、罠の体力設定は床だけでなく扉にも宝箱にも仕掛けられていて、階層を進めるとその数も体力も増えるため余計に作業感が増し、罠の感知範囲も狭いので少しでも油断するとスカウトがいても踏みまくるストレステスト状態になる。それなのに高速化やエンカウント回避などのプレイを快適にする要素が何も搭載されていないのがマズかった。

そもそもダンジョンや戦闘をやらせる必要性を感じない。
育成は経験値を稼いでレベルアップではなく、学園パートで『パワプロ』のサクセスのようにコマンド選択でパラメータを上げるタイプなので自ら戦闘の必要性を否定している。
では戦闘で稼ぐ経験値やレベルの概念は何に使われているかというと、レベル制限のある装備やスキルの制限解除で使われているだけである。意味がないうえに選択肢を窮屈にするダメの二乗。

装備やスキルの種類が少ないから編成もつまらないし、仲間の成長は全自動で装備変更すらできないため期待が持てず、ストレスと窮屈さばかりの戦闘をする意欲がまるで湧いてこない。

それなのにEDを見るための周回で引継ぐのは主人公のレベルぐらいで好感度や単位を引き継いでくれないから、周回をすれば最初から稼ぎ直しをやらされてしまう。そしてレベルが上がると好感度が稼ぎにくくなるから周回をすればするほどそれすら邪魔になってくるという悪循環に苛まれる。
戦闘の意味合いはプレイ時間稼ぎで快適に遊ぶ工夫も何ひとつ取り入れられていない。周回要素も難だらけ。

日常や個別イベントはとても良い

メインとサブのキャラ達との学園生活が基本としてあり、課外授業や学園祭などのおなじみのものを通して親交を深めていく定番を押さえ、空気にならないよう色々なイベントに登場させ個々も立たせているので、探索や戦闘が短時間で終わるなり幅広い成長要素でもあれば、楽しいイベントが待ってますよという人参作戦の人参として機能しそうな面白さは有している。回想モードやクリア後のおまけも完備されていたりでこの点はとても良かった。

RPG要素が足を引っ張る本末転倒なDRPG

個別イベントは掘り下げもあり楽しさを得られるが、好感度と制限解除のための経験値稼ぎの時間が長すぎてバランスが崩れている。イベントの内容が面白いとしても手間と見返りが釣り合わず面倒のほうが強く意識させられてしまっては意味がない。
RPG要素を取っ払って『ときめきメモリアル』みたいなパラ上げのSLGにでもしてたらよかったのにと思わずにはいられなかった。
キャラやイベントは良いのでダンジョン要素を我慢できそうならオススメできる。逆にダンジョン要素を求めているのならやめておいたほうがいい。

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