【ACT】Teslagrad【磁石のSとNを使うPZL】

赤と青の色で表現される磁石のSとNを利用したパズルアクション。

磁力を操る能力によって行動範囲が広がっていくといったメトロイドヴァニア要素のない一本道アクション。
特徴は磁力のパズル要素で、反発を利用する大ジャンプで落とし穴を飛び越えたり、天井に吸着させて転がってくる障害物を回避するなどの基本的なことから、特定の壁をすり抜ける技で球体の中へ入り、自分自身が磁力をまとって床や壁の磁力による反発or吸着で加速をつけて、上に向かうカーブに勢い良く突っ込み上の階層へ転がって上るなど、浮遊感や速度でめまぐるしく動くので磁力の使い方は特徴を感じさせる面白さを生んでいる。
グラフィックもSDキャラの動きがなめらかで背景を含めた雰囲気を作りだし見栄えが良く次の操作を煽る。これら下地はとても良かった。

遊びやすさの工夫がないのが難

ライフのない一発アウトのゲームだけど、ボスはパターンを理解して戦えばタイミング自体は緩いので意外と雑魚になる。
普通ならそこで自分の腕が上がっていることが実感できて楽しさに繋がるんだけど、急に予備動作のない予測できない素早い動きや変化でやられることも多く、パターンを判断できるまでの猶予が少ないことでやり直しが続くことがある。攻撃が入るポイントやタイミングを分かりやすく明示するなり工夫がほしかった。

ステージ構成にしても、初見殺しでそのエリアの最初からやり直しをさせられるうんざりも目立つ。
周りがほとんど見えない暗い通路で前から黒い敵が突進してきて反応できずにやられたところで、一定間隔でビームを出しながら事前に倒す作業をやるだけで楽しさにはつながらない。ちょっとした見せ方や説明ひとつで省けるであろうリトライが多く、行き届いていない細かな不親切に終始気をとられてしまった。

システム面でも、ワープもショートカットもないのに、隠された巻物の収集を強制して一定数集めなければ進ませませんを平然とやってくる。
コンプリートならまだしも必要分は絶対取れるようにしておくとか、どこにあるのかをMAPに表示するなど、これもこれで手引するような工夫が必要だったと思う。

磁力を使ったパズル要素やグラフィックは良かったけど、初見ごろしのステージ構成や、やらされ収集など細かいところでの不満点が大きく、その都度うんざりしては休憩をはさんでなんとかクリアまでこぎ着けた。全体を通した快適性が思わしくなく、特徴は面白くとも一貫して熱中できるゲームではなかった。