『メモリーズオフ』4作目のスピンオフ。
3人のヒロインとのその後が描かれている。数年前のPSstore100円セールで遊んで以来だから本編の内容を覚えておらず不安だったけど、プロローグや思い出話で少しだけ描かれるから最低限の補完はできた。短く無難なその後の話
高校の卒業式の後に駆け落ちまがいに逃亡したり、卒業後の進路が何も決まっていないなど、主人公はそんなアブナイ状態からのスタートとなるが、一緒になった直後の話だから強引な波乱や別れを入れるはずもなく建設的なのろけを読まされることになる。後ろ盾が何もない状況からヒロインを原動力に前を向き行動を積み上げて自信をつけ、自立したのちに二人の未来への道を一緒に確立させていく。
主人公に同調できなかったことだけは何となく覚えていたから、苦手なやつからノロケ話を解説されているかのような鬱陶しさに悩まされたけど、障害を乗り越えて交際が始まってからも支え合いながら手探りで道を見つけていく当たり前の描写が入っているので展開に違和感はない。
雅にとっての家の事情、主人公にとっての家族、これら前作の不満点だった背景にいるはずの存在が描かれているので、キャラクターにとってもプレイヤーにとってもわだかまりが消えてキレイに〆てあるのだと思う。
とはいえ、本編で意図的に手をつけずスピンオフ用のネタにして取り置きしていたのではと邪推してしまうほどの薄さで、その後や描いていなかったことの最低限の補完でしかないから読み応えのあるシナリオかといわれると返答に困る程度ではあるが。
本編と同様にどうしても気に入らなかったのは意味のない選択肢。
選ばせるだけの形骸化した選択肢は主人公像をブレさせるだけで他に何も機能していないし、ただでさえ本編の後を描いたものなんだから性格の違和感につながるような選択肢は不要。
選択肢を蔑ろにした主人公の行動は本編で幾度となく違和感を覚えたが、大して違いのない分岐でEDを水増しさせたり一度ではアルバムを埋めさせないストレスを生む今作の選択肢もまったくもって不要だった。
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