手書きアニメの迫力あるボス戦が特徴のトップビューACT。
プレイヤーは非業の死を遂げたヴァイキングの女戦士「トーラ」となり、ヴァルハラの戦士の館に入る資格を取り戻すため、途方もない試練に挑む。北欧神話をベースにしているらしいシナリオは日本語対応しているけど前置きをほとんど描かずテキスト量も少ないから学べることも引き込まれることもない。ジャイアンの母ちゃんのような恰幅のいい女性が主人公のACT要素も、ボスであるヨトゥン以外には敵がほとんどいないため、徒歩でボス部屋のカギを集めて回り全5体のヨトゥンに挑むという薄さ。
ドスドス歩くだけの探索にウンザリ
移動、回避、弱攻撃、強攻撃、必殺技、これだけの簡単操作で入りが易しい反面、移動が遅い、演出が長い、MAPに現在位置が表示されない、画面端に行かないとスクロールしない場面が目立つなど、すこし動かすだけでこれらの不満点が見えてきて、ボス戦以外には何もない満足度の低いゲームなだけに負のオーラが期待を覆いつくしていく。フィールドの広さに対して仕掛けの密度が薄く敵もほとんどいないので、ただひたすらドスドスと移動するだけのマラソンに大半の時間を費やすことになる。ゲームとして遊ばせる仕掛けや快適性を欠いていれば楽しみや期待は生まれず不満ばかりがそこに集中するのは目に見えている。それならばヨトゥン戦で挽回したいところだけど、強大な存在がこれでもかと表現される迫力ある様は興味を引くが、全5体と数が少なくて終わればマラソンに戻らされる落差により元の木阿弥に。グラフィックは特徴的で雰囲気を引き立てているし、背景の一部としてみていなかったところがヒントとして光っていることや、予備動作やら弱点の強調などが細かく施されている凝りようだが、派手さに迫力やこだわりを感じるからと言って単調なアクションが面白くなるわけではない。予備動作を見てドスドス近づきチクチク叩く作業に終始している。操作入力に対する主人公の動作が単調なこともあり攻撃を叩き込んだり避けたところで満足感も僅かしか得られない。
「ウォーキングシミュレータだったかな??」と思わされるほどに比重を占める北欧神話世界の散歩は、カメラを引いてフィールド全体の景観を見せたり攻略には関係のない生き物や建造物を見せたりと自信あり気なこだわりを感じさせるが、ゲームとして楽しくなければ雰囲気を楽しもうとする心の余裕はなかなか持てないもの。実際に全体を歩き回りラスボスを倒してゲームを終えてみても、「ドスドス散歩」という思いばかりが脳内を埋め尽くしていた。いわゆる雰囲気ゲー。
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