やめられないとまらないサンドボックス。
素材を集めて色々なものをつくりプレイの幅を広げていく自由度の高いゲーム。戦闘や製作など選択肢は多いも明示される目的はないので、好奇心であれこれ手を出して能動的に動かなければどうにもならないサンドボックス。だけどひとたび動けば次から次へと選択肢や可能性があふれ出て、終わりの見えない後を引く面白さがいつまでも続いていく。
掘って作って文明開化
基本は木を伐採したり地面のブロックを掘り進めて鉱石を見つけ、それらを素材にして装備や設備に外敵から身を守るための本拠地などを作っていく。その過程の中で敵が強すぎるダンジョンを見つけたり手持ちの道具では掘削できない鉱石があったりと様々なイベントがあり、それらに対処するにはどうすればいいのかを考えていくと、「敵を倒すため攻撃力や耐久力を上げたい」「未知の鉱石を掘るためツルハシの能力を上げたい」「収集効率のため移動速度を上げたい」など、その先には何があるのかという興味を掻き立てる好奇心が原動力となり目標を形にしていくので、単なる採掘でも目指すところがハッキリしていれば遊んでいる時間は意味のある楽しいものになる。
進行具合に比例して膨れ上がっていく選択肢は、装備を刷新した後のボス戦をひとつとってみても、立ち回りを洗練させるのは当然として、対ボス戦用に地形すらも本拠地と同様にブロックを利用して組み立てることができるため、思考を形にして行動につなげられる奥の深い遊びにワクワクする探求心もくすぐってくる。
装備やドロップ品の収集欲を原動力にボス狩りを繰り返してみたり、ハクスラのように宝箱や敵のドロップでレアな装備を獲得する単純な射幸心を煽る楽しさもある。
探索中に普通とは違う形をした施錠された宝箱を見つけたり突如手も足も出ないボスが現れて蹂躙されたり、適当に歩いてるだけで「どうすればいいんだろう」「やってみたい」と思わされる何かしらのイベントに当たるから、選択に迷うほどの広がりで意識はついつい誘惑されているかのようにゲームに向いてしまい、達成した後は次に何が待っているのだろうかとワクワクうする世界と、考えたことを形にしてそれらに対処できる自由度の高さにとてつもない中毒性を見た。
模様替え感覚で手を出しやすく天空の城だとしても簡単に形にできる建設の要素も、NPCが増えて次第に形や利便性などが最適化され大所帯になっていく本拠地に、自分の城を持ち得意になる自惚れにも似た満足感を得られた。
説明不足やアイテム保管庫の少ない容量は問題
レシピに関してはガイドNPCに素材を見せると何が作れるのかを教えてくれるが、それ以外のアイテムの効果や細かな数値などは下調べ必須の丸投げばかり。クラフトのためには必要となるアイテムを手持ちのアイテム欄に入れておかなければ製作リストに表示されないから管理の手間は増え、各種作業台の近くでないと作れないこともあり、やりくりに手間取るアイテム保管庫の容量の少なさにも不満は募る。アイテムなんて『バイオハザード』のような四次元倉庫に全部ぶち込む一元管理にしてカテゴリ分けでもすれば持ち帰ったものも全部ぶち込むだけですぐに終わるのに、この手間があるからどの箱に何を入れたかわからなくなっていくし、いちいち仕分けした箱を順に開いて何度もスタックしていくのは面倒でしかなくストレスが生じる。アイテム管理は類似ゲーと同様のダメっぷり。ハクスラもサンドボックスも大体この問題に一度は嫌気が差してしまう。
サンドボックス好きに
ボスから素材を手に入れたり材木や鉱石を集めて装備を作り、掘削できなかったブロックを破壊して新しい鉱石を手に入れたら更に上位の……という一連の流れは最後まで大して変わらず目新しさに欠けるため、ただゲーム的な要素を追っていくだけだと同じことの繰り返しを意識しやすく、そんな中途半端な入れ込み具合で強敵と対峙してもバランスお構いなしの力の差ばかりが強調されストレスしか生まない。でもゲームプレイを豊かにより良くしていこうと好奇心をくすぐられたら、ボス用のバフアイテムを作ってみたり地形を組み替えて対策を講じてみたり、大抵のことは伐採や掘削で素材集めという低いハードルがキッカケとなるので、困難を覆せるであろう選択肢はすぐに試せるところにあることに気づく。
戦闘だろうがクラフトだろうが常に何かしらを考えさせられる選択肢は手を出しやすい所に山ほど転がっていて、それらをこねくり回して形にしてみたいと思わせるための橋渡しとなる目標も、ボスであり探索であり装備であり建築であり多少の好奇心さえあればすぐに出会えるから、簡単に行動に目的と意味を持たせられるのでゲームプレイに徒労がなくなり、やらされではなく常にやってみたいと思ったことのためにやっている状態で遊べて無心になれる。デザイン通りの拠点をつくったり坑道を通りやすく整地してみたりワープメカニズムを組み立てたり、自分の思い次第でやれることいっぱいに。
レベルや熟練度の稼ぎや時間を食う移動などのテンポを阻害する鬱陶しさは特にないから、ひとたびのめり込めば寝ても覚めてもボス対策やデザインなどの計画を練ってしまうほどのめり込む。
考えてみたことを形にして満足いく結果が得られたら楽しさから目的や行動は次へ次へと連鎖し続け、気づいたら200時間もやっていたことに驚かされることとなった。とにかくやってみなければならないという好奇心が要るとはいえ、行動を無駄にせず楽しさに変換する、ひたすら夢中にしてくれる魔性のゲームです。
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