目で見て考えて試してみる。
『LIMBO』と同様に行動範囲内から情報を読み謎を解く過程に不条理がないから、謎解きが好奇心を原動力にでき、移動とジャンプと掴むこと、たったこれだけなのに途切れず夢中にさせてくれる。仕掛けに意味のない引っかけや見えにくいだけの意地悪もなく、範囲内に用意されたものが答えになるため常に辺りを見渡して違和感を探るようになり、やられないよう警戒すると同時に周囲の変化に気を配り神経を集中させるから体験型アトラクションのように入り込める。
知恵の輪のように特殊な脳を持っていないとどうにもならない難解なものもなく、この仕掛けを作動させると足場が崩れそうだから作動と同時に移動してみようとか、常識的な感覚や発想で「やってみよう」と考え付いたことを実践でき、高い所から落ちれば死ぬし犬に襲われても死んでしまうという現実感のある結果に予測との差異がないことも入りやすい要因と思う。
考察前提の雰囲気ものに
設定は相変わらず最低限の説明すらもない想像にお任せしますの丸投げで、世界観を読み取れないサイレント映画に謎解き要素が混じっているデザインもまるで同じ。謎解きは据え置きのままで雰囲気や演出などの表面的な要素ばかりが強化されているが、シルエット以外の詳細が描かれるようになったのに一切の説明がないのは疑問を浮き立たせ、思わせ振りなだけで何もないから探求心を突き返すかのような隔たりに違和感を覚えてしまう。場面ごとに特徴の違う様々な景色を垣間見ると、この構成や構図にはどのような意味があるのだろうかとか、映画を見るときに監督や演出、脚本などの意向までもを考察して掘り下げられるひとなら大好物になるのだろうなと思えるが、ゲームとしては雰囲気を作り上げるためであろう移動距離と速度が合っていない冗長な時間が目立つ結果となり、やればやるほど想像に任せる雰囲気ばかりが作り込まれゲームが犠牲にされているかのような印象を受けた。
シルエットだったものが詳細に描かれ情報量が増えたのにもかかわらず説明は据え置き。ゲーム要素と世界観がアンバランスすぎて状況や目的など最低限の取っ掛かりも無いとなると何が起きても超展開でしかなく隔たりを生むばかりだった。雰囲気の先行逃げ切り。
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