
絶海の孤島「シロナガス島」でのホラーサスペンス。
大富豪の遺書の中に残された『シロナガス島』への招待状。 ニューヨークで探偵業を営む男『池田戦』は、特殊な能力を持つ少女『出雲崎ねね子』と共に島へと向かう。 そこで起きる数々の奇怪な殺人事件。 果たしてシロナガス島に隠された真実とは……? すべての謎を解き、呪われた島から脱出せよ!
背景の気になる箇所をクリックして事件の調査や舞台の設定であり状況の補完などを行う、同じ箇所を何度もクリックしながら読み進めていく古典的な選択肢総当たりのポイント&クリックADV。セーブ54個、ギャラリー、バックログ、スキップなど、システム面は問題なし。クリックでの情報収集は飛ばせないからDeadEnd対策のためセーブはこまめにしよう。
ひとりの大富豪を自殺に至らしめるまでに追い込んだであろう“何か”を探るため「シロナガス島」へ向かう探偵の主人公と助手のねね子。
シロナガス島についてプレイヤーが知らされていないことは主人公も知らない前提で進むので、作中だけで盛り上がる蚊帳の外にならず下手な憶測もいらないから次第に明らかにされていく展開が同期して素直に読める。
完全記憶能力を持つ助手のねね子と情報をすり合わせて整理したり推理したり時には死にかけたり、運命共同体としてビビりながらもシロナガス島の謎に立ち向かっていく関係性の描写がしっかりしているので、ふたりの出会いについては何も描かれていないのに読み終えた後はシロナガス島での一話分しかないことが残念に思えるくらいに入り込めていた。
推理ものではあるが、状況の描写を場面ごとの背景や90枚分のイラスト、キャラの掛け合いやビビり役のねね子の悲鳴などに任せてあるので、トリックや細かな心理描写などで雰囲気を作り上げて引き込む本格ものとしてではなく、スラスラと漫画のように読み進められるようになっているのもおすすめしたい特徴になる。
ハードルを上げてしまえば読みやすさのテンポの弊害で解説が足りてないと思えるところもあるし、『弟切草』程の悪ふざけではないにしても状況に似つかわしくないコミカル展開も目立つ。台詞はラノベみたいだし展開にも目新しい特徴はないけど、絶海の孤島での殺人とかポイント&クリック探偵ADVなど、そんな単語にそそられるのならばおすすめです。
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