TPSのホラーADV『アランウェイク』。
ホラー特有の脅かしイベントや襲ってくる敵の撃退をTPSで楽しむゲーム。作家先生がホラー小説の超常現象に取り込まれていくという物語で、エピソードごとにOPやEDを入れているドラマ仕立ての演出が特徴。
倒さないと進ませない芸のなさ
基本は典型的なホラーで脅かされたり追われたりするそれだが、敵のほぼすべてが固定エンカウントになっていること、その戦いが二度手間になっていること、この2点のせいで雰囲気を台無しにしている。全ての敵は闇のバリアに覆われて攻撃が命中しないため一定時間ライトで照らしてバリアを払う必要があったり、街灯などの明かりへ逃げ込むと追跡から逃れられるなど、ホラーの定番である明かりが重要になっている。
とはいえ暗闇の中おっかなびっくり歩を進めるホラーにはなっておらず、敵さんは超常現象の闇だから何でもありなようで、実のところは通路のない後方から突然襲ってきたりするトンデモホラーである。 そのうえ簡単に逃げられないよう恐怖を煽るためだろうが、草木の茂る山道で道順をぼかして迷うように仕向けている場面も多く、主人公の作家先生は体力がスペランカー並だから走っても即座に息切れを起こして追い付かれてしまう。
となればエンカウントしたら全滅以外にほとんど選択肢はなくやらされになってしまい、ライトで照らしてから撃つという原則は照射も銃撃も同じ操作なわけで、やらされな上に二度手間という芸のなさに意識がゲーム世界から追い出されてしまう。
面倒だから逃げようと思っても道がわからなければ体力もないから振り切れず、仮に逃げきれたとしても扉すら闇に覆われている封鎖も少なくない鬱陶しさに辟易。否応なしに戦わされても照らして撃つしかない操作には工夫の余地がないので楽をしたくなる。でも逃げられない工夫できないという雁字搦めの悪循環。
エピソードごとの難易度の調整も、敵の数や体力、必要な照射時間を増すというワンパターンばかり。相手がどんな化け物であれ同じことの繰り返しになれば慣れてしまい恐怖はない。やってることは台本通りの敵役者への照明さんのお仕事である。
シナリオも導入をすっ飛ばした抽象的なイベントの連続で説明は足りないし完結すらせず考える取っ掛かりも見えにくい。結局オカルトなら説明しなくても何でも通るよねに帰結しているようにしか見えないから、テレビやラジオに原稿など、読めば雰囲気作りや物語の補足になるそれらも探すことが億劫になり期待も興味も持てなかった。
戦闘も物語もプレイヤーを寄せ付けない我の強さ。考えてみたり試してみるというゲーム性が貧弱だから遊んでいる感覚を得られないし、面倒なだけの二度手間やらされ戦闘で雰囲気にも浸れない。
Alan Wake's American Nightmare
スピンオフもあるよ。
トレーニングを積んだのだろう作家先生の体力が増し、面倒な戦闘を走って振り切れるようになったスピンオフ。
「戦う」「逃げる」程度でもプレイヤーに選択権があるのは遊ぶという観点では大事だということをこのゲームが教えてくれた。ほかにもMAPに目的地が表示されたりエピソードごとに装備が初期化されなくなったり、問題の多かった箇所がブラッシュアップされ遊びやすさが向上している。
かなりマシになっているようにも見えるが、スピンオフなだけにゲーム自体の内容が薄い。
3つのステージを3周繰り返して展開を変えていくループものになっているが、元々のシナリオがオカルトでよくわからないのだから当然だけど、何を言っているのか何をしているのかなど行動原理がよくわからず単なるお使いの連続になっている。闇だの光だの異世界だのという抽象的な中二表現の文章ばかりで理解を深められず何となく読まされて終わった。良かったのは遊びやすさの向上によりストレスが緩和されていることのみ。イラつかないだけマシだけど。1作目でやっとけといいたい。
「戦う」「逃げる」程度でもプレイヤーに選択権があるのは遊ぶという観点では大事だということをこのゲームが教えてくれた。ほかにもMAPに目的地が表示されたりエピソードごとに装備が初期化されなくなったり、問題の多かった箇所がブラッシュアップされ遊びやすさが向上している。
かなりマシになっているようにも見えるが、スピンオフなだけにゲーム自体の内容が薄い。
3つのステージを3周繰り返して展開を変えていくループものになっているが、元々のシナリオがオカルトでよくわからないのだから当然だけど、何を言っているのか何をしているのかなど行動原理がよくわからず単なるお使いの連続になっている。闇だの光だの異世界だのという抽象的な中二表現の文章ばかりで理解を深められず何となく読まされて終わった。良かったのは遊びやすさの向上によりストレスが緩和されていることのみ。イラつかないだけマシだけど。1作目でやっとけといいたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿