雰囲気推しのアクションADV。
広大なフィールドを歩き回り謎を解き仕掛けを動かしながら道を切り開いていくアクションADVの典型。アイテムを集めてHP/MPや武器に能力を鍛えていく収集要素もあるよ。雰囲気と見栄えはそれなり
テキストや音声はなくパントマイム表現の演出が特徴で、ラピュタのロボット兵のような道先案内人が先導してくれるなど、画像を見るだけでも初っ端から雰囲気は独自の世界を感じられる。進行は仕掛けの電源を確保してスイッチを入れて作動させていくのが基本で、仕掛けを作動させると大地の隆起で道ができたり、何度も「バルス」の呪文を唱えているかのような隆起と沈降を繰り返し地殻変動のごとく世界が動いていくスケールの大きさはワクワクさせてくれる。テキストはなくともMAPに次の目的地が表示されるため迷うこともなく、地面や壁に埋め込まれた電源コードのようなものからドコから動力を引っ張ってくればいいのか、道はどうつながっているのか、次に何をするべきなのかなどを考えさせてくれる見せ方も悪くない。死んでもそれまでに作動させた仕掛けの状態や手に入れたアイテムを持ち越してくれるシステム面も◎。
肝心なゲーム部が単調
世界やシステムはそれなりに整っているもゲーム部が単調。仕掛けはスイッチを入れたりブロックを運ぶ程度で、基本的な動作すら硬いアクションも剣の3連撃と溜めパンチしかない。追加されるアクションも仕掛けの上でボタンを押すだけのワープ、壁にある突起に謎のビームを撃って移動するグラップルの2種のみ。ワープとグラップルは仕掛けの近辺でボタンを押すだけなのでアクションとしての独自性はなく、行動範囲が広がるワクワクにつながるような構成にもなっていないから「またこれか」と単調さとして際立つ。動作の硬さやカメラ操作ができないことで遠近感がわからず落下することも目立ち、落下しやすい箇所の直前にチェックポイントがないことで戻るまで歩かされてしまうことになれば、変化の乏しい繰り返しばかりで伸びしろのないダメなところばかりが悪目立ちしていく。慣れと成長しない主人公との食い違いが徐々にハッキリしていき違和感という名のイラつきとなる。探索の要素も高低差を考慮しないMAPの読みにくさもあり、アイテムもHP/MPの増加程度しかなく雑魚以外に敵がいないから集める必要性に疑問符が付き次第にどうでもよくなっていく。
アクションADVとしての楽しさは一定止まりで上乗せする要素がないのがつらい。知るより感じろな雰囲気や映えを意識した演出推しのゲーム。雰囲気は良くても「知る」「遊ぶ」が弱いから一度慣れてしまえば全てそれまで。
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