
犬と一緒に川下り。
大洪水で寂れたキャンプ場に孤立させられた主人公が希望を求めて犬と共に旅立つサバイバルADV。イカダで濁流あり瓦礫あり嵐ありの危険なランダム生成の川を下りながら、桟橋のある小島に乗り付けて素材を集め必要なアイテムをクラフトしていく。優先度の高い素材を願う島ガチャサバイバル
小島の探索で素材を集めて野生動物を仕留める罠をつくり肉や皮を手に入れ、食料や寒さに備えるための衣料などを揃えながら川を下るサバイバル。だけど、乗り付ける小島に何があるかは運頼みだから「XXに行けば目的の素材が手に入る」という計画が立てにくいガチのサバイバルっぽさと、カントリーミュージックをBGMにしたアウトドアレジャーにしかなっていない川下りのギャップによる違和感がとてつもない。クラフトは作れるアイテムの総数が67個と少ないので、上位のものを作れば新たな段階のアイテムを……という広がりがなく、水と食料と獣と病気対策のアイテムをストックしていくことに重きが置かれた繰り返し感を強めてしまう。
上位のアイテムは寒さ対策の衣料ぐらいだが、それも数値が上がるだけで体験は何も変わらないから、一本道の川を下りながら桟橋のある小島に何度も乗り付けて素材集めとクラフトに終始することになる。
川は10のエリアに分かれているが、段階的なイベント展開があるわけでもなく、序盤でほぼ全ての素材に出会えてしまう。それにより素材運が良ければ小島に立ち寄る必要性がなくなり早々に川を下るだけのヌルゲーになるし、運が悪ければヘビ毒の解毒素材を探し求めてイカダに乗るとそのまま水葬になるバランスの悪いゲームにもなる。
能動的に計画を立てながら行動するのではなく、手に入る素材から行動を考える受動的なサバイバルといえるが、必要なアイテムのストックをしていくことくらいしか考えることもないので何にしても入り込めない。優先順位の高い素材をどれだけ取れるかの島ガチャサバイバル。もちろん何もわからない手探りの序盤はサバイバルを楽しめるけど、総数が67しかなく全レシピが最初から丸見えだから早々にゲームが理解できて自然とそうなってしまう。
難点としては手持ち素材のソートができないとか細かい不備で余計な作業を要すること。とはいえ優先度はレシピを見ればわかるので管理の苦労はなく取捨選択に悩まされることもない。
任意のセーブができず再開は固定のチェックポイントからとなるローグライクをうたうが、上記のようにやり直す過程に学ぶものは特になく巻き戻しの喪失感しか生まないからローグライクにする必要性は感じられなかった。
カジュアルというより単純に練りこみ不足感が見えてしまう、そんなサバイバルゲー。
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