ワンパンゴリラ。
動物の知能テストのような「ゴールまで行けるかな」をゴリラでバイオレンスにゲーム化。ルールは粗雑なランダム生成迷路のスタート地点からゴールまで歩いていくのみ。敵に見つかると銃撃されてしまうので、撃たれる前に突き飛ばして壁に叩きつけたり掴んで弾除けにしながら道を切り開いていこう。
自分との戦い
左から右に歩くだけでボスも複雑な仕掛けもなければ敵やステージの特徴もほとんどない。戦術としても敵が多ければ誘い出しながら数を減らせばいいし、一体なら突き進んでやられる前にやってしまえばいい。出合い頭の事故が起きないよう押しと引きを使い分けて後方に安全地帯を作りながら牛歩戦術で戦線を押し上げていけばエンディングは約束される。
立ち回りを考えるまでもなく思ったままを即座に落とし込めるから最初は楽しく遊べるが、単純ゆえに上達や応用もなく継続できる気がしなかった。でもせっかくインストールしたのだからクリアだけはしようと思うも、戦略として牛歩が定石という石橋を叩いて渡ることを要する内容に嫌気が差してしまい、前方確認を怠り突き進んで蜂の巣にされてしまう愚かなゴリラを何度も演出してしまった。
制限時間すら無いのだからゆっくり安全にいけば何も問題ないと分かっているのに繰り返してしまうゴリラ脳。この程度のことですら辛抱がきかない自分の意志の弱さを見せつけられているかのようなお粗末さに対する反発心から「もう一回」が続いていく。
すると重ねられていく屍の山がやらかしを省みる教材となり、反比例するように感情は落ち着きを取り戻し立ち回りは洗練され、理性のかけらもなく考えなしで突っ走り蜂の巣にされるだけの愚かなゴリラは姿を消していった。
クリアへの原動力は決して楽しさなどではなかったが、ワンパンで倒せてしまう力の差により生まれる慢心で気が緩み、イラついたり焦らされると注意が散漫になり失敗を繰り返してしまう、そんなせっかちな自分を克服できたようなえも言われぬ充実感に包まれていた。
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