爆撃機のマネジメント。
敵国の基地や弾薬庫などの爆撃ミッションを、『FTL』のようにクルーの持ち場を状況に合わせて変更したりコマンドを選択しながら遂行する第二次世界大戦を舞台にしたRTS。
機体の整備やクルーのリクルートを行うベース基地と爆撃任務を行き来するミッション選択型のストラテジーで、任務は離陸から帰還まで状況に合わせて爆撃機内のクルーを動かしてターゲットの爆撃を完遂することを目的とする。
任務に成功すると報酬と経験値が手に入り、経験値が一定まで上がると爆撃機の武装やクルーの装備品、報酬の上がった高難易度の任務などが次第にアンロックされていくので、報酬を使って高難易度の任務もこなせるよう機体とクルーを整備していく。
クルーは手間を生むUIで運用難。
クルーに指示を与えるクリック操作は機内のズームアップをしないと見られないようになっているが、状況の確認にはカメラを引かないと得られない情報がほとんどなので、運用にはカメラを引いては寄っての繰り返しを要し、照準や修理など目的は明確でも行動に移すまでにラグが生じてしまう。
その上クリック判定の範囲も狭ければ機内も狭いため目的地の横で止まったり別のクルーをクリックしてしまうなど誤操作も多発する。ショートカットキーで回復に向かわせることはできても持ち場に戻すためには再びクリックしないといけない一方通行など、RTSのくせに直感的な操作を阻みまくるUIがとても悪い。
持ち場へのショートカットキーを用意したり機内は別窓で表示して切り替えの余計な手間を省き1画面上の情報量を整備するとかできなかったのか。手間をかませたり間違いを誘発させるような操作性による意図的な難易度調整としか思えなかった。
任務はターゲットの爆撃さえ成功させればいい特攻。
そもそも任務についての状況や作戦の説明が一切ないから戦術を考えることもなく行き当たりばったりの出たとこ勝負になっている。自分で航路を決めて危険エリアを迂回する程度しか工夫のしようがないから無線の指示通りになぞるだけになる自由度のなさ。
それを加速させるのがクルーも機体もすべてが使い捨てでマネジメントなんて要らないこと。対空砲火があろうがレーダーに捕捉されようがお構いなしに直進して爆撃任務さえ遂行すれば撃墜されて全員が戦死しても万事OK。
帰還できるとクルーのレベルが上がったり成功報酬が少しだけ上乗せされるが、クルーに欠員が出ても新規募集するクルーのレベルは自動で底上げされていくし、撃墜された代わりの機体装備も最低限は底上げされていくため大事にする必要がない。代わりは無尽蔵。
上手にやりくりさせるためのネタ振りが何もないから、全てが使い捨てを前提とした爆弾投下作業が最適解になった。
こんな形にするくらいなら任務失敗はゲームオーバーとして機体やクルーを維持したまま遊撃戦だとかで戦術の練度やレベルを鍛えていくようにしたほうがよかったのではないか。
爆撃が売りなのに任務は指示通りに動く作業で自由度がなくクルーのマネジメントも要らないとくれば、上達もシナリオもなく先に歩を進めていく楽しみのない特攻シミュレーションにしかならない。戦争を題材にしているだけにクルーが使い捨てにされていく残酷さは伝わるが、爆撃にしても運用にしてもゲームとしてのおもしろ要素がない。
戦況の情報を事前に見せて武装の取捨選択や爆撃までの航路など、戦術を考えさせるようになっていれば面白そうではあったけど。
0 件のコメント:
コメントを投稿