【ゲームアーカイブス】ECHO NIGHT 1/2【謎解き】

★★★ ADV PS1 ゲームアーカイブス ホラー


ECHO NIGHT。

過去に行方知れずとなった豪華客船オルフェウス号に飛ばされてしまった主人公が、そこで死亡し思い残した未練から船内をさまよう亡霊として縛られている人たちを救っていくADV。
未練を解消することで亡霊は「アストラルピース」というものを残して昇天し、これを集めて回ることが目的となる。亡霊を昇天させていくその過程でオルフェウス号で何が起こったのか徐々に発覚していく構成が特徴。

主観だからこそのホラー感

船内を普通に歩いていたら目の前を亡霊が横切ったり「ウフフ……」という不気味な笑い声が聞こえたりする。主観で調べていくので見落としがないよう画面に集中せざるを得ず、歩くだけで何かあるのではないかという不安が煽られ、常にハラハラと恐怖できるのが主観視点の強み
主人公は攻撃手段を持っていないので探索中に亡霊に襲われたら逃げるしかないが、亡霊は明るい場所では出てこられない性質があるので、唯一の対抗手段である「照明の点灯」を駆使して回避していく
亡霊が突然目の前に現れるビックリ系から、スイッチを入れても照明がつかなかったり開いていたはずのドアが開かないなど、安堵を絶望にひっくり返したり不意を突く恐怖のバリエーションも豊富で飽きさせない。
黒い影としてしか存在できない亡霊まみれ豪華客船の雰囲気も良く、ホラー展開以外でもドラマは沢山あるので先の話を知りたくなる期待の維持もできているし、襲い掛かってくる亡霊にもエピソードが用意されているのも謎の解明と同時に没入を誘う。

操作性や快適性がダメ

問題点は基本動作からしてまだるっこい操作性と快適性
画面中央の十字を対象に合わせる調査方法は、視点の上下移動の操作や屈むための×ボタンの長押しなどを要す上にとにかくチンタラしている。未練解消の手段となる謎解きは難易度が高くて迷いやすいから、少しでも詰まると途端に操作を阻むノロマさが気になり始める。
アストラルピースを全部集めることが最良EDの条件なので飛ばすわけにもいかず長引けば長引くほど徒労感が出てくる。時代相応といえばそれまでだがかなりつらい。
亡霊のエピソードは舞台の雰囲気に合っていて良好でも、難のある操作性や快適性が水を差すという古いゲームにありがちな問題点が山積しているので、そこを受け入れられないと楽しむのは難しそう。

ECHO NIGHT#2

  • エコーナイトの2作目
  • 亡霊たちを昇天させながらアストラルピースを集める前作同様の内容

遊びやすくなった

亡霊や舞台の設定を変更しただけでほとんど同じマイナーチェンジだが、体力が減ると自動で回復剤を使う機能が追加されたり、セーブポイントの電話機の設置数が増えたりで遊び易くなり、グラフィックも綺麗になって亡霊が丸太の継ぎ接ぎ人形から人間っぽくなり恐怖感も増した。しかし相変わらず移動や視点変更速度を最速にしてもノロノロなところは何も変わっていない。

順序を間違うとアストラルピースが入手不可となる取り返しのつかない箇所が増え、かくれんぼをしている亡霊の子供を探すなど歩かせるだけの水増しも目立つようになった。
照明につかう配電盤の数が5に対して鍵は2しかなく、いちいち取り外しに戻らなければならないという面倒な手間も取り入れたり、マップが広くなった割にイベントの密度が薄まり歩かされるだけの時間が増えた
アストラルピースが30になったとは言え、前述のかくれんぼで隠れているだけの物語性すら無い水増しも目立ち、前作と比較すると広く浅くのゲームになった印象を受けた。

グラフィックが向上して見栄えが良くなり、セーブポイントの大幅増加などで遊び易くなったが、操作性は相も変わらずの不親切やノロノロ動作のまんま。探索でやるべきことが中途半端に多岐にわたるので無駄に歩かされ緊張感も薄まった。物語のつながりは無く難点そのままのマイナーチェンジなので遊ぶならどちらか一本でいい。

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