ポイント&クリックホラーADV。
孤児院で養育されていた主人公ジェニファー達を養女として引き取りたいと申し出た資産家のバロウズ。屋敷へと招かれたジェニファー達を待っていたものは巨大なハサミを持った殺人鬼シザーマンを筆頭にした数々の恐怖にまみれた悲劇であった。カーソルのクリック操作でジェニファーを動かし、屋敷内の様々なポイントを調べながらフラグを立て屋敷からの脱出を図ろう。
執拗に追ってくるシザーマンが恐怖の象徴
屋敷からの脱出を図るジェニファーをしきりに追い立てるシザーマンの存在が恐怖の象徴となる。戦う術を持たないジェニファーがシザーマンからの追跡から逃れるためには、どこかに隠れるか渡し板を取ってシザーマンを穴に落とすなどの特定の行動をとり退ける必要がある。
撃退するまでは永遠に追われてしまうし、シザーマンとは逆の方向に逃げていても進行方向で待ち伏せをされ、部屋に逃げ込んでもチンタラしていたらドアを開けて侵入してくる。ただ単に回避地点まで走ればいいという単純なものではない点が他のホラーゲームとは違った恐怖を演出する。
探索の最中に飛び出てきたり執拗に追ってくるシザーマンを回避するのがホラーの要素だけど、巨大なハサミを持った狂人に追われているのに階段は一段ずつトコトコと歩いて登るわクリックした地点にもこれまたトコトコと歩いていくので雰囲気に合っておらず、ジェニファーの動作全般のべらぼうな遅さにより、何度も追跡と撃退を繰り返しているうちに慣れていき恐怖をイライラが上回ってしまう。仕舞いにはシザーマンを回避地点に連れて行くだけの作業ではないのかと気付きはじめホラーですらなくなる。
そして順序までもが影響する難解なフラグ立てを進行させなければならない攻略本前提のゲロ難易度設定がダメを押す。バランスが悪くて今の時代に遊べるゲームではない。
CLOCK TOWER 2
概要
- 前作のその後を描いた続編
- ジェニファー編とヘレン編の2つのルートがあり、各ルート3つのシナリオで構成される
- 各シナリオのステージはバロウズ城や大学研究棟などそれぞれ用意されている
基本システムはそのままに演出の強化
カーソル操作で主人公を移動させながらフラグを立てる前作と同様のシステム。今作のシザーマンもロッカーから飛び出てきたりエレベーターの中から出てくるなど逃げ惑う恐怖の演出に一役買っている。
特徴は舞台が3Dになったことで探索やシザーマン回避などの演出が強化され、カメラワークやステージ構成も幅が広がり見栄えが良くなったこと。
例として、ドアを開けたら目の前に広がるのは断崖と海という箇所では、ドアノブに掴まり海に落ちないようにボタン連打で耐え、追ってきたシザーマンはドアの先には何もないことに気づかず落下……という場面を俯瞰から見せるなど、2Dの平面ではできないこれらの演出はなかなか面白かった。
演出が強化されても不満点は前作と同様のまま。
無限回避ポイントさえ特定してしまえば回避ポイントに走るだけとなり恐怖は消え、お化け屋敷を往復するかのような茶番となり演出の面白さも薄れていく。
シナリオ1~2は短いので何度も利用する事態にはならないが、シナリオ3は攻略情報必須のフラグ立てを要するため、ウロウロしてシザーマンが現れたら無限ポイントへ向かう繰り返しとなる。ホラーの雰囲気を台無しにするゲーム性をどうにかすべきなのに何も変わっていなかった。お化け屋敷の往復をゲーム化したかのような仕様は興ざめさせられる。演出面の向上以外は据え置き。
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